アマ最強位・ももたんが示した 柔軟かつ重厚な連覇への王道【 麻雀最強戦2023 】全国アマチュア最強位決定戦 観戦記【決勝卓】担当 東川亮

最後は全員がテンパイを入れていたが、ももたんがツモって杉谷の親を落とすことに成功。仕掛け出しから残す牌から、ももたんの繊細さが際立つ局だった。

南3局も、ももたんがピンフのみの出アガリで局を消化。

いよいよ、前人未踏のアマチュア最強位連覇まで、あと1局。

もちろん、それをやすやすと許すわけにはいかない。中山が太い腕を振るって牌をツモる。

だが、手の形は難しい。4トイツで、普段であればチートイツがメインになりそうだが、そうなるとテンパイするには難しい手役だ。

一方のももたんはをチーしてタンヤオ進行。ドラのがトイツで入っているのは、自分よりも相手、特に中山の打点が高くならない可能性が上がっているという意味で大きい。

先制テンパイはももたん。優勝まで、あと1牌。

中山も親リーチで追いすがるが…。

最後も自力。
いとおしそうにツモったが、史上初のアマチュア最強位連覇を告げた。

4位に終わったMAYJUNCだが、スタイリッシュな風貌に鋭い打ち筋を併せ持った、アマチュアの中でもあまりいないタイプの打ち手のように感じた。アパレルの分野で活躍しているということで、今後は違った形で我々の前に姿を見せてくれるかもしれない。そしてぜひ、来年もこの舞台にチャレンジしていただければと思う。

3位の杉谷も、予選から通じて随所に面白い選択を見せてくれた。今回の全国アマチュア最強位決定戦を盛り上げてくれた主役の一人であることには疑いがないだろう。2回目のアマ最強位決定戦を経験し、早くも3度目の正直に燃えているはずだ。

惜しくも2位、準優勝となった中山。しかし対局を通じて常に落ち着いた雰囲気で、特に発声をはじめとする所作については実況・解説陣の評価も高く、ある意味でアマチュアの模範となれるような打ち手かもしれない。だからこそ、もう一度地方予選を勝ち上がり、最強戦に帰ってきてほしい。

そして、見事に史上初となる全国アマチュア最強位決定戦連覇を果たしたももたん。昨年は熾烈なオーラスを制し、今年は盤石の戦いで他者をほとんど寄せ付けなかった。名実共に最強のアマチュアとなった男が2度目のファイナルでどのくらい暴れてくれるのか、今から楽しみだ。

ももたんさん、アマチュア最強位連覇、おめでとうございます！