太くない?
そんなことなんてないお。
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2024年9月26日
少し、昔話を聞いてほしい。
5代目天鳳位、太くないお。
打数で築き上げた確かな雀力に、ネット麻雀特有の「牌にかかったラグに基づいて、組み合わせパターンを推察する」ラグ読みを掛け合わせ、一気に頂点まで上り詰めた。
16代目天鳳位、藤井聡太(ふと)。
ラス回避ルールでも「局収支」(その一局単位で、何点自分が獲得するか)が重要だということを、その攻撃力で証明し、鳳凰卓を制圧した。このアカウントは、三麻天鳳位にも輝いている。
成績が分かる画像を貼っているのは、ネット麻雀を打ったことがある方に、その凄さを分かっていただきたかったからだ。
筆者も同じ時期に天鳳を打ってきたが、本当に強かった。陳腐な言い方になってしまうが、他に表しようがない。
さらに、ないおトンアカウントで、
サンマ魂天になりました!
これでトリプル天鳳位&ダブル魂天達成です🐷🐷🐷🐷🐷lead to next chap太… pic.twitter.com/mCd2Rqnl53
— 渡辺太/ないおトン (@Futokunaio) October 19, 2022
雀魂においてダブル魂天を獲得し、ネット麻雀の最高峰タイトルを総ナメしたプレイヤーこそ、
「太」という漢字は、天鳳の両アカウントにも共通している、と気づいた方もいるだろう。
ネット麻雀プレイヤーから麻雀プロに。そしてMリーグという新たな世界へ飛び込んだ太の凄いところは、「常に麻雀が変化している」ことだ。
第2試合
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
「太の麻雀は?」と聞かれたとき、局収支をもとにテンパイならゴリゴリ押していく、そんな雀風を思い浮かべる方も多いだろう。
もちろん、局収支は基盤になっているのだが、最近は「読めるパターンをどんどん増やして、それを実戦に活かしている」印象だ。
それが表れたのは、南2局。
イーシャンテンで、上家茅森のリーチに無筋のを掴んだ太は、
スッと河にを並べた!
これは、パターンを考えると極めて通りやすい牌なのである。
立体図を使いながら考えてみよう。
黄色の牌がツモ切り、白の牌が手出しなのだが、上家の茅森は、
①をツモ切りしたあとに、
②1枚切れのやドラのを切ってから、
③もう1枚を手出しして、
リーチをかけてきた。
まず、①と③から、が愚形に当たることはほぼないと考えられる。
単騎待ちならのトイツ落としがおかしい。
カンチャン待ちも、と残っているなら、からを2枚切ったことになるので、これも矛盾する。