多井歌衣の弁舌が止まらない。
実は空星は歌衣が鳴けない牌を切り続けて、歌衣がノーテンなら通過なのだが、上手くこの口車に乗せられてしまう。
「はいチー! うえええい! Win-Winだから!」
「OKきらーめ」
「いらないことしちゃった!」
「何口車乗せられてんだきらーめ!」
そんなこんなで迎えた、東4局2本場。
まずは多井が魅せる。
歌衣から切られたを大明槓して、嶺上牌からドラのを引き入れた。
これで文句なく、逆転通過条件を満たすテンパイ。
しかし歌衣も黙っちゃいない。
ツモ番こそなかったが、ツモり四暗刻のテンパイを入れて昂ぶりリーチ!
アガリにこそ繋がらなかったが、多井も歌衣も、盛り上がる1局を見せてくれた。
が、その粘りもここまで。
最後は空星が渋川のアシストを上手く使って、1000点のアガリ。
決勝進出は、渋川、空星の両名となった。
「あ、じゃお疲れしたーおつかれーす」
敗退が決まり颯爽と会場を後にする歌衣メイカ氏を添えて。
準決勝B卓
■東家 桜凛月 (チームゼウス)
■南家 因幡はねる (チームヘラクレス)
■西家 朝陽にいな (チームグラディウス)
■北家 松本吉弘 (チームヘラクレス)
準決勝B卓は、予選1位通過の桜と松本、2位で通過した朝陽、そしてブービー賞で通過となった因幡の4名。
B卓で最初のリーチを打ったのは、グラディウスの朝陽だった。
チートイツドラ単騎での先制リーチ。
しかし一人旅にはさせない。親の桜が追い付いた。
を重ねての、リーチ。
チートイツで待ちが強くない朝陽の「うぅあぁ」という呻き声が弱弱しく響いた。
朝陽の嫌な予感はあたり、朝陽がを掴んでしまう。
桜にとっては幸先の良い、12000のアガリで準決勝はスタート。
準決勝まではトビ(持ち点が0点未満になったら強制終了)があるため、朝陽がもう一度桜に12000を放銃してしまうと、その時点で終了。
席順で、因幡が決勝進出となる。
それを知った因幡は。
「よし、じゃあにいなとべ!」
「やだー! とばない!」
なんとも無慈悲な圧をかける因幡。
このあたりのやり取りも、通話アリの良さが出ている。
その言葉通り、東2局で親番を迎えた因幡が、朝陽から12000の直撃。
朝陽は東1局1本場で2000点をアガっていなければ、トンでいたところだった。
このままでは終われない松本が、意地を見せる。
桜から8000点を討ち取って、これで決勝進出ラインへ食い込んだ。
朝陽もただでは終わらない。
親番を迎えた東3局で、見事12000のアガリ。
待ちにもできたが、が無いためシャンポンを選択。
これがしっかりと山に残っていた。