瑞原は、Mリーグにおいてこういった「他家との間合いの取り方」を、戦法に組み込んでいる比重が高い選手である。
ただ、この局は、
なんと瑞原の一人ノーテン。瑞原は、少し沈んだ4着目に。
このままでは、アキナ・ジ・エンドとなってしまう。
しかし、
瑞原は冷静だった。
少し点数を盛り返して迎えた南1局の親番では、
魚谷の先制リーチと、
瀬戸熊の追っかけリーチを受けながら、
「ポン」
間髪入れずに、瑞原はリーチ宣言牌のを仕掛けて、
魚谷からの出アガリ、タンヤオドラドラの5800で親番を繋ぐ。
続く南1局1本場は、2巡目に、
このテンパイが入る!
現状、タンヤオ赤ドラだが、瑞原は、
ダマにした!!
ツモならダマでも4000オールあるうえ、微差とはいえトップ目なので7700の出アガリでもまぁよしとするか、という「謙虚さ」が理由の一つだ。
そして、手替わりを挙げていくと、
ソウズは三面張の、
ピンズはタンピン三色含みのと三面張の、
マンズは微妙なところだがドラをさらに使える、
このあたりだろう。ド高目のを含めて、さらにいい手にしようという「欲張り」な気持ちがもう一つの理由であろう。
ここで参考として、ルールこそ違えど、麻雀AI「NAGA」の解析を見てみると、
(NAGA解析は、著者がこちらのサイトから購入しました。
https://note.com/tyoko_tenhou6dan/n/n26411f3bf3d4)
5タイプのうち、3タイプがリーチとなっているが、全く大差ではないことが分かるだろう。
ただ、これはラス回避ルールの解析なので、トップ取りルールならリーチの比重が上がるのは明らかだ。
私は、出アガリ7700→12000かつ、ツモって裏が乗ればハネマンになるという打点上昇のメリットを、2巡目のここでいち早く享受するのがいいかと思ってはいる。
しかし、上の解析結果を見ても「ダマが十分にあり得る選択だ」というのが分かる。やはり、それぞれの選択には様々な可能性が秘められていて、非常に面白いと感じる。
ともあれ、ダマテンに構えた瑞原は、
2巡後にへの手替わりを果たし、ここでリーチへ。
(ウキウキ)
一発ツモ!
「謙虚」+「欲張り」=「瑞原明奈」
メンタン一発ツモ赤ドラ裏の6000オールで、瑞原は大きく抜け出していく。
そして次の局、瑞原は全員に「イリュージョン」を仕掛ける。
南1局3本場、
ここから瑞原は、
を打った。
さらに、
をポンして、
打とする。
これは、マンズのホンイツをバラさないようにする戦法である。