長く暗いトンネルを駆け抜けろ! 内川幸太郎、奮起の逃げ切り【Mリーグ2023-24観戦記 12/18】担当記者 #徳岡明信

菅原が2鳴きということもあり、自身もイーシャンテンのこの手からはノータイムでツモ切りとなった。

菅原がカン【3ピン】に待ちを取っていたならこの【6ソウ】は瑞原に8000点の放銃だっただけに、
菅原への3900点の放銃は不幸中の幸いか。

中打点の痛い放銃とはなってしまったが、
今日の内川は一味違う。

東3局には2000/4000のツモアガリで前局の失点を倍返しした後に、

東4局は菅原のリーチにしっかりと被せていき、8000の追加点を捥ぎ取る。
超効率的な裏ドラが1枚乗った事も今日の内川に吹く「風」を感じる。

内川が50000点オーバーで1人抜け出す展開で東場が終了する。
あと半周、内川にとっては長い長い半周が始まる。

このまま逃げ切る事が出来るのか。

立ちはだかる女海賊

南1局1本場

またもや内川に選択が訪れる。
【2ピン】【5ピン】は自身から3枚見え、【5マン】【8マン】も3枚見え、
枚数に差は無いなら打点で取るのが無難な選択だろう。

【6マン】【7マン】払いとなる。
3枚見えとは言え、赤受けのあるリャンメン払いで、他家もかなりもプレッシャーがかかる。

プレッシャーと言えば菅原も負けじと【中】のトイツ落としでタンピン系へ。
前巡に2枚切れで安全牌候補の【西】を切って6ブロックに組んだことにより最高の【4ソウ】をキャッチする。
ここらで復活の一撃をお見舞い出来るか。

そうなれば松本も黙っていられない。
ここまで放銃こそないが、出番が無いもどかしい展開が続く。
形はあまり良くないが、【1マン】がフリテンなのでここはホンイツへ向かい易かったであろう。

自身で3枚持ちの【2ソウ】がポン出来たのは大きい。
これでテンパイ一番乗りだ。
南なら満貫で打点的にも満足できる。
ここらで1つアガリが欲しい所だが果たして。

しかしここに追いつくは親の瑞原だ。
受け気味の進行ではあったが、丁寧にチートイツのテンパイを組めた。
菅原の【2ピン】が早くて、松本もピンズのブロックは持っていなさそうな捨て牌をしている。

山に残っていそうな【1ピン】単騎。
これがズバリ読み通りに山に2枚眠っている。

終盤、菅原も追いつく。
危険牌の【5ソウ】を押して追いかけリーチといく。

内川以外の3人の手がぶつかる。
ここでのめくり合いの結果が着順の結果に大きく響く大一番だ。

菅原の【5ソウ】にチーの声を入れた松本。
【4ソウ】【6ソウ】の形で晒して、ノーチャンスかつ3枚見えでほぼ安全牌の【1ソウ】を切る。
こうすることで瑞原の現物待ちでもある【6ソウ】【9ソウ】に受け変えることが出来る。
打点は3900点確定となるが、リーチ棒3本付きの状況だ。
ここでのアガリの価値の高さから、良形変化のチーに素早く対応する松本はさすがのバランス力だ。

(松本くん、ありがとー♡)

松本の好プレー虚しく瑞原に流れる【1ピン】
4000は4100オール+リーチ棒3本の大きすぎる収支だ。
これで菅原と松本を大きく突き放して内川の背中が見えてきた。

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