卓上を彩る遅咲きの一凛の花　その名は‘中田花奈‘【Mリーグ2023-24観戦記 1/29】担当記者 #徳岡明信

前巡にから現物のを切って引き気味に構えた萩原。
しかしが暗刻になれば役も確保され話は別だ。
をバシッと勝負する。萩原らしいメリハリのついた押し引きは何年経っても見ている者をワクワクさせてくれる。

カンを引いて第2ラウンドスタート！
浅見がリーチ後にツモ切ったドラのを誰も合わせていないもで山にある可能性が高いと踏んでの思い切ったリーチ判断だ。
読み通りにこのが山にまだ2枚眠っている。

このリーチを制した者が岡田への挑戦権1番手となる。
この熱いめくり合いの結果は…

浅見の勝ちだ！
効果的な裏ドラ1枚も非常に嬉しい8000は8600。
プラス供託4本の回収で跳満級のアガリとなった。

早くも少し縦長の展開となった東3局

ここまで全く参加出来ていなかった中田が一発ツモの2000/4000。
冒頭でも注目した様に今シーズン待望の初トップに向けて動きだした。

さぁ勝負はここからだ。
今シーズンの中田の戦い方を見ての印象は
ここから消極的な選択を取る事が多く、結果としてトップが遠ざかるという展開となる傾向が強い。
しかし今日の中田は一味違うぞ。
過去の自分をしっかりと分析し、その上で初の「志願」での登板なのだ。

「今までの中田花奈とはひと味違います」

その気持ち、言葉通りに堂々と岡田の背中を追いかける事が出来るのか！？

今までの私とは違う！　腹を括った決死のリーチ

南1局

迫ってきた浅見、中田をもう1度突き放したい岡田。
字牌3組、大三元もほのかに香る金塊のような配牌をもらう。

勿論のこと、出て来た役牌を鳴いて進めていく。

3フーロした岡田の手牌が
　ポンポンチー
となる。

を切れば2900、ツモって1300オールの手牌だが、
正直この手材料で2900のテンパイは納得いかないのが欲深き人間の心理だ。

しかし岡田はあっさりとを切りテンパイを取った。
もちろん岡田自身も納得のいかない不本意なテンパイであろう。
だが、岡田は東1局のダマテン選択のようにリアリストな選択を取る打ち手へと寄ってきている。
残った待ちのアガリ率、と払っていった時のアガリ率、全てを総合的に判断してのテンパイ取りなのだ。

しかし中身が見えていない他家には迫力がある仕掛けで警戒する他無い。

中田もイーシャンテンを崩して迂回していく。

しかしやはり今日の中田はひと味違った。
ピンズ待ちが本線となってきた岡田の仕掛けに無筋のを切ってぶつけにいく。
今までの中田ならマンズを抜いてオリに回っていた気がする。
ここでリーチと宣言出来るのは覚悟の表明である。

そしてこの覚悟は結果となって帰って来る。
1300/2600のアガリで岡田に親被りさせて急接近。
気持ちのこもったツモ発声が記事では伝えられないのが非常に残念だ。

南2局も中田は真っすぐにアガリに向かって手を組んだ。
ドラが切りづらいし切りで四暗刻狙い？？　いやいやこの手はこれが最終形だからリーチですよ。
そう言わんばかりに淡々と手を進めリーチまで辿り着く。
トップを取りたいストレートな想いと手牌進行がシンクロしている。