自分を信じて。不死鳥のごとく復活した 魚谷侑未の貫禄。【Mリーグ2023-24観戦記 2/13】担当記者 ZERO / 沖中祐也

自分を信じて。
不死鳥のごとく復活した
魚谷侑未の貫禄。

文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2024年2月13日

それは先週のことだった。
「私の下手さが目立った半荘だったので、申し訳ないですね」

魚谷は珍しくネガティブなワードを口にしていた。
それほどまでに痛恨の放銃があり、今日の登板をどうしようかと思うほどメンタルにきていたのだ。
しかしMリーグの苦しみはMリーグで晴らすしかない。
そう思い直した魚谷は、再び戦いの場へと向かう決意をしたのだった。

第1試合

東家:滝沢和典
KONAMI麻雀格闘倶楽部

南家:魚谷侑未
セガサミーフェニックス

西家:浅見真紀
赤坂ドリブンズ

北家:松ヶ瀬隆弥
EX風林火山

実況:松嶋桃
解説:むく大樹

開局から激しくぶつかりあう。
親の滝沢がイージーな5巡目メンピンドラドラでリーチを打った直後の魚谷の手牌。

切りたい【5ピン】は親リーチに対して両無筋の牌。
そこで暗刻の【白】を1枚外す手がある。
両面が入ったら追っかけリーチ、新たな無筋を引いてきたら【白】を暗刻で落としてメンタンピンを再構築するというルートだ。

まっすぐか迂回か。
いきなり迎えた正念場で

魚谷はじっと場を見て確認する。

まだ3筋しか通っていないこと。
自分の手牌の価値がそれなりに高い上、【白】を切るとその価値が半減してしまうこと。
そして、戦わずして勝利を手にすることはできないこと。

魚谷は

【5ピン】を打ち抜いた後、

【7ソウ】をツモって迎撃の追っかけリーチを放った。

この2軒リーチを受けた浅見が

魚谷の切った【赤5ソウ】に手を止める。
これをチーすればタンヤオドラ・赤のテンパイが取れるが、出ていく【2マン】は2人に通っていない。

2軒に無筋をカチ込むのはやりすぎかしら。
いいえ私は

さそり座の女… ならぬ、特攻シンデレラ!
(なお浅見さんはおとめ座です)
3900+2000の収入、それに2人の手を潰すとなれば押す価値は十分にある。

3人に挟まれる形となった松ヶ瀬から【2ソウ】がこぼれ、アガリをもぎとることに成功。
ともすれば滝沢の独壇場になりかねなかった半荘を、魚谷・浅見が押し切ったことにより、その両名の激しいマッチレースが繰り広げられることになる。

迎えた親で魚谷が

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