自分を信じて。
不死鳥のごとく復活した
魚谷侑未の貫禄。
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2024年2月13日
それは先週のことだった。
「私の下手さが目立った半荘だったので、申し訳ないですね」
魚谷は珍しくネガティブなワードを口にしていた。
それほどまでに痛恨の放銃があり、今日の登板をどうしようかと思うほどメンタルにきていたのだ。
しかしMリーグの苦しみはMリーグで晴らすしかない。
そう思い直した魚谷は、再び戦いの場へと向かう決意をしたのだった。
第1試合
南家:魚谷侑未
セガサミーフェニックス
開局から激しくぶつかりあう。
親の滝沢がイージーな5巡目メンピンドラドラでリーチを打った直後の魚谷の手牌。
切りたいは親リーチに対して両無筋の牌。
そこで暗刻のを1枚外す手がある。
両面が入ったら追っかけリーチ、新たな無筋を引いてきたらを暗刻で落としてメンタンピンを再構築するというルートだ。
まっすぐか迂回か。
いきなり迎えた正念場で
魚谷はじっと場を見て確認する。
まだ3筋しか通っていないこと。
自分の手牌の価値がそれなりに高い上、を切るとその価値が半減してしまうこと。
そして、戦わずして勝利を手にすることはできないこと。
魚谷は
を打ち抜いた後、
をツモって迎撃の追っかけリーチを放った。
この2軒リーチを受けた浅見が
魚谷の切ったに手を止める。
これをチーすればタンヤオドラ・赤のテンパイが取れるが、出ていくは2人に通っていない。
2軒に無筋をカチ込むのはやりすぎかしら。
いいえ私は
さそり座の女… ならぬ、特攻シンデレラ!
(なお浅見さんはおとめ座です)
3900+2000の収入、それに2人の手を潰すとなれば押す価値は十分にある。
3人に挟まれる形となった松ヶ瀬からがこぼれ、アガリをもぎとることに成功。
ともすれば滝沢の独壇場になりかねなかった半荘を、魚谷・浅見が押し切ったことにより、その両名の激しいマッチレースが繰り広げられることになる。
迎えた親で魚谷が