勝利も目線もロックオン! 仲林圭の最適解をとくとご覧あれ!【Mリーグ2023-24観戦記 2/19】担当記者 #徳岡明信

寿人の7巡目リーチ、満貫からの勝負手だ。
この宣言牌【6ソウ】を、

二度受けとは言え、リャンメン2つのイーシャンテンからチーして【9ソウ】のみアガれる片アガリのテンパイを取る。

このテンパイを取れる人は中々いないのでは無いだろうか?
【6ソウ】【9ソウ】引きは勝負手、それを片アガリの1000点にしてリーチと勝負するのは正直見合って無い感もある。

だがこの仕掛け、しっかり考察すると、理も確かに多い。
一発消しはもちろんの事、
ラス目のリーチを交わせるテンパイが安全に取れるというのも大きい要素だ。

更に
寿人の捨て牌が
【3ソウ】手出し→【6ソウ】切りリーチ
となっていて、
【3ソウ】より下のブロック構成が無い
もしくは完成している可能性が高いと判断できる。

最悪【1ソウ】【2ソウ】【3ソウ】の1メンツ落としも可能であり、守備力もある。

茅森の判断がお見事にハマった。
寿人の勝負手を潰す300/500の大きなツモアガリだ。

茅森の感性は非常に鋭い。
これが天才過ぎるオンナ雀士の異名の根源なのだ。

天才の感性がさらに飛び出したのは南3局

親番で大チャンス手のイーシャンテンだ。
ここは是が非でも正解を導き出したい。

テンパイ率ならくっつきのイーシャンテンに構える方が優位だ。
【3マン】周りのくっつきは【1マン】【5マン】の計5種、
更には全員マンズの下の牌を早々に切っていて景色が良く見える。

しかし茅森は打【3マン】とした。

これは最終形にこだわった選択だ。

言わずもがな、【5ソウ】引きは【2ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【7ソウ】【8ソウ】待ちの最高形で
【2ソウ】【3ソウ】【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【8ソウ】引きはリャンメン以上の待ちが確定する。
ソーズと心中の覚悟を決めたのだ。

次巡、見事に【6ソウ】をキャッチする。
三暗刻の可能性も残り、打点的にも最大期待値の牌だ。

ここで更なる選択だ。
【4ソウ】切りで【5ソウ】【7ソウ】【8ソウ】待ち
【7ソウ】切りで【2ソウ】【4ソウ】【5ソウ】待ち

見た目枚数は場に1枚見えている【2ソウ】の差分だけだ。

眼光鋭く天才が場を見つめる。

導き出した答えは【7ソウ】切りでの【2ソウ】【4ソウ】【5ソウ】待ちだ。

これは場況が選ばせた選択だ。

岡田の第一打【1ソウ】切り、寿人の【2ソウ】【1ソウ】と切っている。
この2人にソーズの下の保有率が低い分【7ソウ】切りでの【2ソウ】【4ソウ】【5ソウ】待ちリーチの判断に踏みきったのだ。

この手なら
【4ソウ】切りリーチ→筋の【7ソウ】での三暗刻狙いを選択する打ち手の方が多いのではないか。
しかしここは自分の感性、読みを信じる。

そう、それが

天才たる所以だ。
全ての選択がハマった会心の4000オールでトップ目の仲林を捕らえる!

両者41000点で並ぶ南3局1本場
ここが最大の勝負の分かれ道だ。

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