【 #雷漢戦 】 満開に咲いた冬の蒲公英 雷漢戦2024・冬の陣観戦記&現地レポート 【文 #後藤哲冶 】

そして持ってくる、自分の目から4枚目の【5ソウ】。こんなに【5ソウ】持ってくるのも相当稀なうえ、当然無理な選択だが、タンヤオに渡っていたらアガリの牌。
そして。

ハッピーバースデー!
その最後の【5ソウ】が、鴨神にゅうのカン【5ソウ】待ち8000点に突き刺さる。

「どんだけついてないねん!」

白雪レイド、当然の怒りの咆哮。

この男――誕生日である。

「どんだけついてないねん!(2回目)」

……ごめん、れいーど……正直、おもろい……。

雷漢戦ではスタンプがありということもあり、視点配信が見れない会場でも選手達の気持ちが一部伝わってきてとても楽しい大会になっていた。
アガった後の、抗議のスタンプ、アガられた後の、しょんぼりスタンプ。
これも雀魂だからこそできる、面白い試みだったと言えるだろう。(段位戦でのスタンプ使い過ぎはダメだよ! )

予選C卓組み合わせ
歌衣メイカ(A卓1位)vs因幡はねる(A卓3位)vs鴨神にゅう(B卓1位)vsバーチャルゴリラ(B卓3位)

予選D卓組み合わせ
千羽黒乃(A卓2位)vs鳳玲天々(A卓4位)vs咲乃もこ(B卓2位)vs白雪レイド(B卓4位)

予選4試合を終えて、決勝と最下位決定戦は以下のような組み合わせになった。

決勝卓には、麻雀の実力も十二分にあり、しっかりと勝ち上がってきた千羽黒乃鴨神にゅう咲乃もこと、ここ一番での強さを見せつけ、満を持して決勝卓初出場の主催、歌衣メイカ。

最下位決定戦には、まさかまさかの前回雷漢位の因幡はねる、そしてその因幡と前回雷漢位をめぐってデットヒートを繰り広げた鳳玲天々。前回不名誉なザコ襲名で言語を失ってしまったバーチャルゴリラ、そしておめでたい日のはずの白雪レイド。

どちらの試合も、とても面白いドラマが待っていた。

~最下位決定戦~

最下位決定戦組み合わせ
鳳玲天々vs因幡はねるvs白雪レイドvsバーチャルゴリラ

東3局まで、鳳玲以外の3人がアガリを重ねる形になり、ただ一人1万点台を割ってしまった鳳玲。
しかしこの東3局で、鳳玲が魅せる。

【白】【發】と鳴いてドラの【東】対子の勝負手が入った鳳玲。
更に【白】を加カンして引き入れたのが、有効牌の【3ピン】
これでカン【7ピン】跳満テンパイを入れると。

【8ピン】を引き入れてトイトイになった!
これで倍満確定のテンパイ……!

残り1枚だった【東】を、見事に引き入れた!
【白】【發】【東】ホンイツトイトイ、ドラ3で4000、8000のツモアガリ。
これで最下位戦線は全く分からなくなった。

しかし、もう一度点棒を削られてしまい、鳳玲がラス目のまま、オーラスへ。
追いかけられる立場のバーチャルゴリラが親番だ。

8000点をアガればザコ回避(ラス回避)の鳳玲に、ドラの【白】がトイツ。
これを鳴くことができれば、鳳玲のザコ回避達成だ。

そこに至高の遊び人、白雪レイドが全力の茶々を入れる。
【9ソウ】の大明カンは、親番で8000点が打てないバーチャルゴリラを牽制。

これに困ったのがバーチャルゴリラだ。
「キモすぎなんだが」というこの言葉は、白雪の嫌がらせが的確に響いていることを示している。

ドラの【白】がトイツの鳳玲の手が進まない。
アガリまで行かなければならないが、このままではテンパイすら厳しい。

ザコ連覇をなによりも恐れるバーチャルゴリラが、最後の手番でテンパイを崩した。
「なんて言われたっていい!」
いっそ清々しいほどまでのこのムーブは、会場にも笑いが巻き起こっていた。

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