そして誕生日(白雪レイド)の最終手番。
嫌がらせマシーンこと白雪は、誰も誕生日プレゼントをくれないので、代わりにあげることにしたらしい。
なんて良い奴なんだ!(偏った視点)
「プレゼント、フォー・ユー」
ドラのを、対面に座る鳳玲にプレゼントーー
「やめろおおお!」
バーチャルゴリラの悲鳴が木霊する。
ザコを巡る高度な心理戦(仮)の行方は――
鳳玲がテンパイまででアガリには届かず。
残念ながらザコ襲名となってしまうのだった。
~決勝卓~
◆雷漢位決定戦組み合わせ
千羽黒乃vs鴨神にゅうvs咲乃もこvs歌衣メイカ
決勝卓は、東1局から見ごたえ抜群だった。
歌衣の景気づけ先制リーチに対し、百戦錬磨の烏天狗、千羽黒乃が選択を強いられる。
自身はまだテンパイしておらず、役もトイトイと、アガリやすい役ではない。
ここは会場に解説に来ていた渋川プロと鈴木優プロも「を切ってオリるのでは」と言っていたが。
千羽の選択は強くプッシュ。
これは普段の段位戦ではなく、1回勝負の決勝戦。
普段は押さない牌でも、今回は押したほうが有利と見た。
実る事こそなかったが、素晴らしいプッシュ。
千羽が魅せれば、鴨神も魅せる。
誰もが道を譲らない決勝卓は、東3局4本場になっていた。
積みあがったリーチ棒の供託は3本。アガリの価値が高いこの局面で、麻雀AIがはじき出したこのチー。
すでにメンツができているところからの、いわゆる食い伸ばしの形。
残った形はカンと不自由だが、そもそもをポンしているのでくっつきは然程強くない。
素晴らしい選択だと思う。
そして引き入れるカン!
この仕掛けもアガリにこそ結びつかなかったが、鴨神らしい素晴らしい局だった。
しかし、この日の主役はこの人だった。
咲乃もこ。
第1回大会はザコ寸前までいった彼女だが、実力は折り紙付き。
まだ点棒が拮抗したこの場面。を引いてテンパイだが、迷わずに切り。
が出て行ってしまう上に、まだ巡目も早く、タンヤオが色濃くみえるこの場面の最適解は、切りだろう。
そうして外した後、持ってきたのは。タンヤオこそつくが、これもが出ていってしまうテンパイだ。
とはいえ、先ほどとは違い巡目も進んでる上、今度はタンヤオではあるので、リーチも十分にある局面。
が、咲乃はこのテンパイを外した。
そして外し方が素晴らしかった。選んだのは、切り。
引きでのテンパイを逃すが、はそもそも2枚切れで、縦との差が無くなっている。
イーペーコーを一度確定させ、くっつきも、を既に切っていることから、ピンズ下の方が良いと判断。
これが、勝負の決め手になった。
を見事重ねての待ちを最終形に描いた咲乃の勝ち。
この6000オールで雷漢位に手をかける。
南3局は1本場。
ただ一人親番が残っている歌衣が打って来たリーチの直後、咲乃にテンパイが入る。
が、出ていくのはドラのだ。
ここでを歌衣に放銃すると、ハッキリと見えていた雷漢位の座が一気に危うくなる。
に、カーソルを合わせる。切りであればもう一度やり直すことができ、タンヤオがつかないため放銃した時の打点も低く済むケースが多い。