【 #神域リーグ2024 第12試合観戦記】幾度の眠れぬ夜を越えて… 私の未来は、私が決める──! 鈴木たろう vs 長尾景 vs 咲乃もこ vs 渋川難波 【文 ゆうせー 】

この分岐で、もこは勝負に出た。

もこが選んだのは、

【7マン】だった!

「ピンズ…縦に引きそう…!」

もこが見ているのは、

丸で囲った、他家の河にあるピンズだ。

【4ピン】【7ピン】の縦引きを両方逃さないために、場に安いピンズを厚く持った。

こうすると、ピンズを引いてテンパイする枚数を増やしておくと、相対的に「マンズ待ちが待ちとして残りやすくなり」、そうすると【7マン】の先切り効果が活きてくる。

もちろん、本人も言っていたように、この手格好でドラ【4マン】を引くと困るのだが、その裏目は織り込み済み。

もこは、場況を信じて勝負に出た。

このあとがさらにすごい。

9巡目まで、目一杯のまま構えたもこは、

上家のたろうが仕掛けたときに切った、3枚目の【5ピン】【8ピン】を、

スルーしたのだ!!

そして、引き入れる【8ピン】!!

釣られて鳴いてしまいそうなところを我慢して、たどり着いた親リーチ。

「リーチ」

私は、咲乃もこがリーチをかけるときの、この心底嬉しそうな表情が忘れられない。

こうして、これまでの苦労は──

報われたのだった。

【7マン】の先切り効果も出た、見事なアガリ。

「トップ取るぞ!!」

と力強く宣言したもこ。

オーラスに、

長尾景が、タンヤオで積極的に仕掛けて、

Mリーガーたちとの三つ巴を制し、2着争いから抜け出したあと、

もこは渋川にスッと刺し込みを決めて、トップをつかみ取ったのだった。

神域リーグ初登場の長尾景も、しぶとい打ち回しで食らいついていき、最後で2着に上がる素晴らしい麻雀を見せてくれた。

相手が、Mリーガー、Mリーガー&魂天、魂天だけに、なおのこと価値があるように思う。

順位表は、このようになった。

さて、私は、咲乃もこの配信で、忘れられないシーンが1つある。

それは、1000人以上もの人が見守る、魂天への昇段戦配信のこと。

そこで、

もこは、4着を引いて一歩後退してしまった。

次々と流れてくるリスナーの、

「いったん休憩しよう」

「また日を改めて…」

というコメント。

そのとき、もこはこう言った。

「打つかやめるかは、私が決める」

もちろん気遣いは嬉しい。

けれども、やるときには絶対にやり抜くという強い意志。

その後、紆余曲折こそあれ、もこは、

長年の夢だった魂天へとたどり着いたのだった。

優しい心の持ち主、咲乃もこは、光輝く強いハートも持っている。

何度倒れても、何度傷ついても、きっと彼女は立ち上がるのだろう。

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