「これまでの選手たちが築いてきたセガサミーフェニックスに恥じないように」浅井堂岐

6月28日に行われたMリーグ2024-25ドラフト会議で、セガサミーフェニックスの2人目の指名選手として名前が読み上げられたのは、日本プロ麻雀協会の浅井堂岐(あさい たかき)。2022年には松本吉弘渋川難波仲林圭というMリーガー3名を倒して団体のトップタイトル「雀王」を獲得した実力者であり、2023年はBEAST Japanextのオーディションや麻雀最強戦など、対外試合でも鮮烈な印象を残し続けた選手だ。かねてからMリーグ入りを熱望していた男が、念願の指名を受けての心境を語った。

 

-まず、今の率直なお気持ちからお聞かせください。

めちゃくちゃうれしいです。フェニックスというチームのことを考えると女性を獲る可能性もあったと思いますし、竹内元太は選ばれるとしても、あと1人でどうなるか、というイメージで、確率としては2%くらいかなと思っていました。

-ご自身で行っていた同時視聴配信で、ここ1、2年のことを「辛かったけど頑張って良かった」と振り返っている様子が印象に残りました。

辛かったけど楽しかった、みたいな感じですね。頑張っても報われるかどうかは不透明なわけで、精神力がかなりいるけれども頑張り続けるしかない、できることをするしかないな、と。今は38歳ですけど45歳くらいまではこのまま頑張ろうと思っていました。あとは、辛いと思うと続けられなくなりそうだったので、いかにそれを楽しんでやるか。自分の心を無理やりそういう方向に持っていっていていたところもあります。

でも、頑張ったことで得られるものもたくさんありました。ファンの方が増えたのはもちろん、自分の見せ方や振る舞い、SNSの使い方とかも良くなったと思いますし、そういうところで自分がすごく成長できた時間だったと思います。

-Mリーグに入って、これまで打ったことがないような選手と、これまで以上に注目を集める場で打つことになります。

最初は緊張しそうですよね。ただ、Mリーガーのみなさんについては、この何年かでいろいろな舞台に出させていただく中で対戦している人がほとんどなので、そこに対する気後れはあまりなさそうです

あと、どうしても打ちたい選手はいますね。鈴木たろうさんです。僕、たろうさんに憧れて麻雀をやっていましたし、たろうさんと協会のA1リーグで打つのが一番の目標だったんです。でも僕がA1に上がったときにたろうさんが最高位戦に移籍してしまって、その夢が叶うことはなくなってしまったんですけど、それでもどこか大きな舞台で打ちたいと思っていました。それがMリーグなら一番でしたので、その可能性がかなり上がったのはうれしいです。

-今回は魚谷侑未選手、東城りお選手に代わって入るということで、また違ったプレッシャーもあると思います。

お二人は人気もすごかったですし、そういうふうにファンの方も見られていたと思うので、そこを重くは受けとめつつ、そのプレッシャーも自分の中の楽しみに変えていく、というのが僕の考え方です。お二人ほど人気が出るかは分からないですけど、人気も麻雀の実力も、両方を兼ね備えていかなくてはいけないな、と思っています。

-団体を代表して「協会で後に続く選手のために」という思いもあったと思います。

それはずっと昔から言っていて、協会のMリーガーを増やしたい、そのためにはまず僕がMリーグに行かないといけない、と思っていました。僕を含めた協会の選手が活躍すれば「協会の選手は強いから獲ろうよ」となって、下石戟さんとか真田槐、矢島亨さんにも声がかかる、あとは協会初の女性Mリーガーが生まれるような動きはしていきたいと思っています。

-Mリーグでは、どういう麻雀を見せたいですか。

僕の基本的なスタイルは「後方から高い手を作って押し返す」というものです。そしてやっぱり、トップの取り方を見せたいです。協会のルールはMリーグルールと順位点も一緒で、赤はないですけど、そういうトップが偉いルールは一番得意だと思っています。フェニックスの他の選手は最高位戦の選手なので、そこの違いを見せて、チームに勢いを与える存在になりたいです。

-同じチームになる茅森選手と醍醐選手の印象は。

茅森さんとは1回くらいしかしゃべったことがないんです。麻雀を見ているとひょうひょうとしていて、メンタルが強そうだな、高い手をいっぱいアガって面白いな、と思います。醍醐さんとは勉強会でも一緒になりますし、BEASTオーディションのときに解説をしてくださるなどして、最近は交流が増えてきています。最高位戦のリーグ戦とかでは醍醐さんの先切りを、すごく面白いなと思って見ていました。あまりいないタイプですけど、その辺もうまく吸収できたら、と思います。

-あらためて、Mリーガーになる意気込みをお聞かせください。

まずは結果が大事だと思っています。僕も元太も、チームを勝たせるために呼ばれたと思っているので、その責任はありますし、いい成績を出さなくては意味がないと思います。かつ、誠一をさんをはじめ、魚谷さんや東城さん、和久津さんが築いてきたセガサミーフェニックスの人気や知名度にも恥じないようにしていきたいです。すぐにはたどり着かないと思いますけど、日々の活動をきちんとやりながらファンの方を増やし、結果でも自分の価値を示したいと思います。

-ちなみに、浅井プロは筋肉キャラでも知られていますが、そういうキャラは今のMリーグにはいません。

本田さんとか仲林も筋トレをしていますよ。あの2人は元々が細いからシュッとしていると思いますけど、僕は野球をやっていたので、身体が大きいんですよね。そこから年をとって太ってきたところに筋肉を乗せたので、身体が大きくなってきた感じなんですよ。最近サボっちゃっていて、今からやっても開幕には間に合わなさそうですけど、1年くらいかけて仕上げていきたいですね。実際、他の対局の後にMリーグを打つこともあると思うので、体力も必要かなと思っています。

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