【 #神域リーグ2024 第19試合観戦記】たった一人の2年生 #桜凛月 あの日流した涙を救おう【文 #後藤哲冶 】

この【南】が、赤が2枚あって十分形になっていた風見から零れる。
緑仙は、当然のポンだ。

直後に【中】も鳴けて、あっという間のテンパイ。
【1マン】【4マン】待ち、12000の高打点だ。

風見が、緑仙のアガリ牌を使いきってのテンパイを入れた。
シャンポン待ちと決して良い待ちではないが、打点があるのでリーチ宣言。
こうして恐れずにリーチを打てるようになっているのも、風見が強くなっている証拠のひとつ。

このめくり合いは、枚数で勝る緑仙が制した。
4000オールの加点で、トップを逆転。

「やーだ! 勝ちたい!」

このアガリが許容できないのは、オリていたトップ目の桜だった。
このまま緑仙が親番でアガり続ければ、トップは更に遠ざかってしまう。

南1局1本場

2着目になってしまった桜が、【南】をポンして打【3ピン】
良いバランスだ。【3ピン】【6ピン】は受けが被ってしまっているため、くっつくならドラの【6ピン】の方が嬉しい。
【西】【北】は重なった時にホンイツのターツになる。マンズのホンイツか、ドラを使うかのプラン。

【北】が重なって、リャンメンターツである【2ソウ】【3ソウ】切り。
【1ソウ】が2枚見えていてそこまで強いリャンメンではないこと、北か中どちらかが鳴けてホンイツか、3つ役牌鳴いてドラ使っての8000点ルートを目指す形。
仕掛けの高打点を見据えた、面白い選択だ。

この仕掛けには、監督のたろうも「打点派の選択」と嬉しそうに話す。
自身が仕掛けて打点を見る打ち手なだけに、2年連続チームを共にする桜のこの仕掛けには心が躍ったかもしれない。

【5マン】【6マン】と引いて、マンズホンイツのイーシャンテン。
これで打点面も、受け入れも十分。不要になったドラの【6ピン】をリリース。

その桜が切ったドラの【6ピン】を、すかさずチーしたのは親の緑仙。
ドラを鳴くことができて、12000点確定。まだトップへの安全圏ではない。当然緑仙も前に出る。

先にテンパイが入ったのは桜だった。カン【2マン】を引き入れて、【北】【中】のシャンポン待ち。
これが、なんと山に3枚残っていた。

見事なツモアガリ。
2000、4000で再度緑仙を逆転することに成功。まだまだトップは諦めない。
激しいトップ争いが続く。

苦しい時間帯が続く、グラディウスの勝。
最後の親番である南2局も、早々に風見からのリーチを受けてしまった。
勝は、この形から出た【6ピン】

なんと【7ピン】【8ピン】でチー選択。
麻雀のルール上、【6ピン】【7ピン】【8ピン】で鳴いてから【9ピン】は切れない。食い変えというルール違反に抵触してしまうからだ。
しかし、勝はここで通っている【8マン】を切って、タンヤオのイーシャンテンに構えた。
非常に面白い選択。【6ピン】が3枚切れで、ただでさえ【4ピン】【5ピン】の部分が苦しい。
なら、タンヤオに無理やりにでもして、自由に鳴ける道を選んだ……!

この鳴きが、功を奏した。
ギリギリで望みを繋ぐ、2900のアガリ……!
勝が必死に食らいつく。しかし逆に言うと、こうでもしないとアガれないのが、今日の勝の苦しさを物語っている。

それでも、勝に、麻雀の神様は厳しかった。
続く南2局1本場タンヤオが残る【1マン】のトイツ落としを選択すると、これが緑仙の仕掛けに捕まる。
8000点の放銃。

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