【 #神域リーグ2024 第19試合観戦記】たった一人の2年生 #桜凛月 あの日流した涙を救おう【文 #後藤哲冶 】

 

続く南3局は、こちらも苦しかった風見が4000オールをツモアガって、大きく点棒を回復。
これで、勝の着順アップがかなり厳しくなった。

南3局1本場は、緑仙の仕掛けが光る。
元々、役牌2つと赤【赤5ソウ】を使ってのアガリを狙っていたが、この【3ソウ】ツモでホンイツへ舵を切った。
3900点では決めてにならないが、8000、12000クラスなら十分決まり手になり得る。

この選択が実った。
チートイツドラドラで粘る勝から【3ソウ】を捉えて12000点のアガリ。
これで大きく大きく、トップを近づけることに成功。

南4局

是が非でもトップが欲しい桜の、最後の親番が始まる。
が、配牌は良いとはとても言えない。

「勝ち(アガリ)続ければ、終わらないから」

真っすぐに、手を進める。幸い、3着の風見ともかなり点差が離れている。
これならば、多少放銃を気にせずに進行することが可能だ。

桜はメンツ手でのリーチは厳しいと判断して、役牌を残し続ける。
意地の役牌残しで、【白】を重ねることに成功。この【白】重ねも、全く容易ではない。

ドラを重ねて、チートイツイーシャンテンになった……!
しかし、チートイツはテンパイまでが難しい役。
【白】が鳴けたり、どこかがメンツになった時も考えて、桜はギリギリまで保留する。

チートイツテンパイ……!
桜は、【1マン】を切ってひとまず枚数が1枚多い【3マン】単騎のダマテンに構えた。
ダマでも9600という高打点なことに加え、良い待ちを探したい+ダマならトップ目緑仙からの直撃も狙える。
ここはチャンスを待つ。

1枚切れの【東】を持ってきた。
絶好の待ち。桜がリーチに打って出る。
桜の河はそこまでチートイツにありがちな派手な河にはなっていない。これなら誰も、止まるはずもない。

見事にこの手を成就させた!
裏ドラも乗せての18000は、一時的にトップの緑仙を捲る大きすぎるアガリ!
トップでのゴールが、見えてきた。

更に1本場、桜は700オールのツモアガリで連荘。
ここは無理に染めるのではなく、まず緑仙との点差を離しにいったのが功を奏した。
これで、他家のツモアガリでもかなり逆転されない点棒状況に。

続く2本場

「最高得点賞、狙うから! 全然これだけじゃ、足りない!」

その言葉に呼応するように、桜に好配牌が入る。
【5マン】を暗刻にしてのテンパイは、当然のリーチだ。ツモれば4000オールからで今度こそ、トップの決め手になる。

【5マン】を持ってきて、当然暗槓。すると――

新ドラが【5マン】
カンした【5マン】にモロ乗りだ! これでツモれば、倍満8000オールのバケモノ手に昇格。

さあ、最後の、大勝負は

見事桜が制して。
勝負を決める8000オールで、チームに大きすぎるトップを持ち帰ったのだった。

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