【 #神域リーグ2024 第19試合観戦記】たった一人の2年生 #桜凛月 あの日流した涙を救おう【文 #後藤哲冶 】

最後は、緑仙が「もう勘弁してくれ」と2000点をアガって終局。
終始安定した立ち回りを見せてくれた緑仙が、2着でフィニッシュ。

風見は、リーチで果敢に挑戦するものの、なかなか最後の1枚に恵まれなかった。
特に南4局1本場2本場での勝負手が実っていたら、結果は大きく違っていただろう。
しかしそのファイティングポーズは最後まで崩さなかった。次の対局に期待したい。

勝は、厳しすぎるハコ下の4着。
前回本人的にも感触のある2着だっただけに、この4着は苦しい。
だが、勝が必死に努力し続けていることは多くの視聴者が知っている。
この神域リーグでそのたゆまぬ努力が実ることを祈っている。

トップに、桜凛月。
有言実行の最高得点でのフィニッシュだ。チームに100を超えるプラスポイントを持ち帰り、個人成績もプラスへ。

あの【5マン】の暗槓でドラがモロ乗りした瞬間。
暗槓と加槓の違いはあれど、私は、去年のセミファイナルを思い出した。

桜が大好きな妹が、軌跡を手繰り寄せたあの日のことを。

あの日、桜はライバルチームのグラディウス天開に、値千金のトップラスを決められてしまい、涙を流した。
控室に戻って来た時、桜の声は、悔しさで震えていた。

ルイスが最高の見せ場を作ってくれたことで、昨年のゼウスは全員が最後まで笑顔だった。
……が、あの日の悔しさが、涙が、桜の胸の内に残っているのは、もはや言うまでも無いだろう。

「おかえり~!」
「ナイス過ぎる!」
「良かった~勝てた~!」

桜が、最高の笑顔で控室に帰ってくる。

――まだ、道半ば。
けれど今年こそ、最後まで。

ゼウスたった一人の2年生は――昨年の涙も糧にして、全力でチームを引っ張っている。

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