最後は、緑仙が「もう勘弁してくれ」と2000点をアガって終局。
終始安定した立ち回りを見せてくれた緑仙が、2着でフィニッシュ。
風見は、リーチで果敢に挑戦するものの、なかなか最後の1枚に恵まれなかった。
特に南4局1本場と2本場での勝負手が実っていたら、結果は大きく違っていただろう。
しかしそのファイティングポーズは最後まで崩さなかった。次の対局に期待したい。
勝は、厳しすぎるハコ下の4着。
前回本人的にも感触のある2着だっただけに、この4着は苦しい。
だが、勝が必死に努力し続けていることは多くの視聴者が知っている。
この神域リーグでそのたゆまぬ努力が実ることを祈っている。
トップに、桜凛月。
有言実行の最高得点でのフィニッシュだ。チームに100を超えるプラスポイントを持ち帰り、個人成績もプラスへ。
あのの暗槓でドラがモロ乗りした瞬間。
暗槓と加槓の違いはあれど、私は、去年のセミファイナルを思い出した。
桜が大好きな妹が、軌跡を手繰り寄せたあの日のことを。
あの日、桜はライバルチームのグラディウス天開に、値千金のトップラスを決められてしまい、涙を流した。
控室に戻って来た時、桜の声は、悔しさで震えていた。
ルイスが最高の見せ場を作ってくれたことで、昨年のゼウスは全員が最後まで笑顔だった。
……が、あの日の悔しさが、涙が、桜の胸の内に残っているのは、もはや言うまでも無いだろう。
「おかえり~!」
「ナイス過ぎる!」
「良かった~勝てた~!」
桜が、最高の笑顔で控室に帰ってくる。
――まだ、道半ば。
けれど今年こそ、最後まで。
ゼウスたった一人の2年生は――昨年の涙も糧にして、全力でチームを引っ張っている。
最高位戦日本プロ麻雀協会47期前期入会。麻雀プロ兼作家。
麻雀の面白さと、リアルな熱量を多くの人に伝えるため幅広く活動中。
Twitter:@Kotetsu_0924