ダマのツモでは、トップまで届かないのだ。
条件を把握した上で、思い切って勝負に出た。
しかし、
「1個しかない」
と村上がつぶやく。
なんと、にいなの待ちは山にが1枚だけだった。
このとき長尾は、
好形のイーシャンテンであった。
どうなる…
にいなが一発で持ってきたのは、
ラス牌のだ!
もし、1巡でもリーチをためらっていたら、この逆転劇は生まれていない。
そして、にいな視点の放送アーカイブをぜひ見てほしいのだが、
「パチン」
この瞬間、にいなが打った高らかな手拍子の音は、まさに「歓喜の響き」であった。
「渋川監督見てるーーーー!!??」
「長尾くん見てるーーーー!!??」
「やったぜ!にいなトップとったぞ!うおおおおお!!!!」
にいなが叫び、
「うおおおおお!!アメイジング!!アメイジング!!」
と楽屋が揺れる(「アメイジング!!」と言っていたのは、書かなくても分かるかもしれないが主にメイカだ)。
そんな、朝陽にいなの「逆襲劇」であった。
試合後に長尾は、
「今回もヒリついた感じで、にいなさんとやるのがめっちゃオモロい!」
と、ナイスゲームを一緒に作り上げた相手への敬意を表していた。胸にあふれるパッションが言葉の端々から感じられる、いいインタビューだった。
一方、渋川は、
と、謎に記憶を無くしながら、
勝負はまだ、ついてないからね…
— 渋川難波🌸 (@sibukawarou) July 23, 2024
試合後には悔しさをにじませていた。
そして、朝陽にいな。
ライバルや師匠を倒し、悔しい思いをした「過去の自分」を乗り越えられたからこそ、
まるで、真夏の太陽のように。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite