【目次】
フリテンとは
フリテンとは、テンパイしているにもかかわらず、ロンができない状態を指す。フリテンは、以下のような状況で該当する。
アガリ牌を自ら捨ててしまっているとき
テンパイ時に、自身の待ちを1種類でも自分で捨ててしまっているときはフリテンになる。たとえば、待ちのときにを捨ててしまっていた場合はフリテンに該当するため、いずれの牌でもアガることはできない。
他家から切られた牌を見逃したとき
テンパイしている状態で、他家から出たアガリ牌を見逃した場合は、以降フリテン状態となり、ロンができない。なお、この状態はリーチをかけていると終局まで続くが、リーチをしていなかった場合、自身の手番を1巡消化することで解消され、再びロンアガリができるようになる。
他家からアガれない牌を切られた場合
待ちのうち、役がつく牌が限定されている場合は、アガれない牌を切られると「同巡内フリテン」となり、その巡目ではアガれる牌が切られてもアガることができない。これも1巡を消化することで解消できる。
例:
待ちだがアガれるのはタンヤオになるのみ。では役がないのでアガれず、切られた巡目は以降にタンヤオがつくが切られてもアガれない。
例:
チー チー
とのシャンポン待ちだが、アガれるのは役になるのみ。が切られた巡目は、が出てもアガることはできない(※ポンは可能)。
フリテン状態でロンをするとチョンボになるが、役があればツモアガリは可能。門前であればリーチもかけられる。
フリテンを生かしたテクニック
フリテンというルールの性質を生かした高等テクニックも、麻雀ではいくつか存在する。
ツモらずフリテンリーチ
自身がツモってアガれる形にも関わらず、あえてアガリ形からフリテンリーチをかけるテクニック。
例:
ツモ
このままアガるとツモのみだが、を切ってフリテン3メンチャンのリーチをかける。をツモればリーチツモタンヤオピンフ三色でハネ満からと、打点が激増する。
安目見逃し
安いアガリになる手をあえてアガらないテクニック。
例:
見逃し
でアガるとピンフのみだが、ならタンヤオ、ならさらに三色がつく形につき、を見逃してより高い打点を狙う。リーチをかけていると以降はツモでしかアガれないが、ダマテンの場合は1巡後に再びでアガれるようになる。
例:
見逃し
ツモれば役満・四暗刻だが、ロンの場合はトイトイ三暗刻の満貫で、四暗刻と比べると打点は1/4になる。どうしても役満が欲しいときは見逃す手もある。
山越し
相手が切った牌であえてロンせず、同じ牌を切った別の相手からアガるテクニック。条件戦など、直撃を取りたい相手がいるときに使う技術で、一般的にはほとんど用いられないが、競技麻雀では稀に見られることがある。
例:
見逃し→ロン
Mリーグ2019-20の実戦譜。ファイナル最終戦、渋谷ABEMASの多井隆晴は逆転優勝のため、首位に立つセガサミーフェニックス・魚谷侑未の逆転を狙う。東1局南家、多井は待ちのテンパイを入れるが、上家のKADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠から出たでアガらず。次巡にツモ切りを挟み、直後に魚谷から出たをロン、直撃に成功した。1巡挟むことでフリテン状態を解消すると共に、ツモ切りで手が変わっていないこともアピールし、狙い通りの結果を得た。