奇しくも本日は自民党総裁選挙が開かれ、日本の新しい顔が誕生。それに続くようにとチーム初勝利を掴み取り、再び王者復活の狼煙を上げる事ができるだろうか。
序盤の展開を占う運命の一戦が繰り広げられた。
第1試合
東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:二階堂瑠美(EX風林火山)
西家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
全36選手の中で、一番遅い出場となった仲林圭がいきなり持ち味を見せる。
東1局
ピンズのペンチャン・ターツ払いから5巡目にを引き込んで来た場面。
まだ一段目である点と、トイツ手の可能性も考慮して手拍子でに手を掛けたくなる所を
を河に置いた。
詳しく見ていこう。
まずはという横の繋がりをもたらす牌によってメンツ手のターツブロック4つが十分形へ。それも最高形はタンピン三色まで見える価値ある手牌へとパワーアップしている。
しかし完成メンツが未だ無く、僅かながら愚形箇所も残るなど不安要素も拭いきれない。
そこでスピード感で劣っていると判断した仲林は、この後の反撃に備えて三者に安全なと親の現物を手の内にキープした。
この瞬間のロスは暗刻になる残り2枚のだけであり、守備と押し返す為の攻撃のバランスの取れた一打である。
また、親の早めに切られているも所持率が高く、判断材料の一つになったのかもしれない。
更に面白いのが、次巡の
の空切り。
前巡の手出しとのコンビネーションによりリャンメン・ターツ落としを他者にわざと見せつけているのである。
これによって相手にもたらす効果としては
① スピード感があるように見える。
② 変則手に思わせて警戒させる。
などが挙げられるだろう。
もちろんあまり不自然に装うと、ダブルターツ払いを相手に教えてしまったり、手の内の情報を漏洩させてしまうデメリットが浮上する。
しかし、今回はメリットの方が多い。
なぜなら
① スピード感がないのに早く見せられる。
→相手が距離感を見誤る。
② 字牌など鳴きたい牌がないのに変則手に見せられる。
→相手に余計な牌を絞らせる。
この後、未来予知をしてたかのように岡田・多井の二者からリーチを受けるも、準備していた安牌で事なきを終える仲林。
「現雀王と言うのもあり、リーグ戦などの対局数が減っちゃっているのが不安です。」
と開幕前に謙遜すぎるコメントを寄せた昨年度のMVP争いの主役。
今年もその力、顕在と言わしめるのに1局あれば十分であった。
視点を変えて、今度は開局に幸先良く満貫ツモでリードを築いた多井に目を向ける。
新たな顔を見せたのは東2局であった。
解説・村上淳
「昔は4巡目でこの形なら一旦切ってダマテンでしたね。」
仲林も対局後の振り返りの中で、同じような表現をしていたが
令和・多井の答えは
「リーチ。」
イチローの時代は“ダマテン”だったかもしれない。でも今は大谷翔平の時代なのである。
多井
「去年・今年と新しく入って来た人達が局に参加する頻度が
多くて。もしかしたらABEMASにとって、それが原因でバランスを崩しちゃってたのかな。」