この時、特に注視したいのが南家の大介。
2巡目に親の安全牌であるをあっさりツモ切ると、その後→→→と手牌から出したりと怪しい動きが…。
元太の予想通り、大介がピンフ・赤リャンメン×2のイーシャンテン。待ち・打点・スピードともに申し分の無い態勢であった。
そして、このツモ切りは新たな副産物をもたらす。
大介
「この待ちは貰った! て思いましたが、元太さんにやられましたね。」
まさか槓子から1枚外しているとは思わなかったと、大介は自身の振り返り配信で語っていた。
副産物とは…つまり相手の読みを外す“誤情報”の事。
これによりリーチという土俵に乗せられた大介は、ダブバックのテンパイを入れていた親のたろうと戦わされると
を掴み
リーチ棒込みの3,900の失点に繋がった。
何気ない横移動だか、元太にとっては無失点で乗り切ったとも言えよう。
開局だから“えいやっ!”と勢いで槓する人も多い中で、こうした相手との距離感を見極めながら選択する思考こそ、ここまでラスなしという安定した成績に直結しているのではないだろうか。
【第2問】 元太レベル★★☆☆☆
東1局1本場
ツモでグッと手牌が決まったが、巡目も早いので赤牌受けなども考慮したい… 元太は何を選択した?
① ② ③その他
【解答・解説】
A.②
元太
「少しでも七対子を狙っているような捨て牌にする事で、相手に色々考えさせる方が良いかなと。」
メンツ手の場合、Mリーグ・ルールの基本は内側へ寄せる事が打ち手の共通認識。今回ならば→の切り順である。5に近い方が赤牌引いた時に自然と使い易くなるからだ。
しかし手牌の受け入れ枚数に着目すると、─の見た目18枚。1枚しかないと比較すると圧倒的な差である。
それならば、20回に1回程度の裏目は目を瞑って相手の読みを外す“誤情報”を与えた方が得だろうというのが元太の思考なのである。
どっちを先に切っても結果は一緒だったかもしれないが
宣言牌をとした元太のリーチは、内川からを一発でおびき寄せると、裏ドラ1枚のおまけ付き。効率の良すぎる満貫成就となった。
【第3問】 元太レベル★★★☆☆
東2局
内川にの仕掛けが入るが、自身もそこそこ戦える牌姿… 元太は何を選択した?
① ② ③
【解答・解説】
A.①
元太
「ラス目の内川さんがを1鳴きという状況であり、打点を伴っている事がほとんどです。後はどこに打点の種があるのか…。ドラが固まっていたりホンイツやトイトイだったり。はそれらに該当しそうな牌ですが、鳴かれても良しのスタンスで切りましたね。」
自身の手牌で一番ネックなターツはペン。
そこを払いつつ、鳴かれなかったらラッキー。仮に鳴かれても親は大介なので、それはそれで悪くないと言う判断である。
またからではなくから切るのも理に叶っていて面白い。
例えば、下家の内川のソウズの下目がの場合、からは鳴くけどからは形が悪くなるから辞めておこうというパターンも存在してくるからだ。
元太は何の躊躇もなく→払いとすると
内川のチーを阻止していた。1巡でも遅れていたら未来は違ったものになっていただろう。
“鳴かせちゃいけない”ではなく“鳴かせてもいいかな”