渡辺太、あなたの心臓に負担かけさせていただきます【Mリーグ2024-25観戦記 11/7 第1試合】担当記者 #東川亮

岡田が【3マン】、白鳥が【4ピン】を嫌そうに切る。どちらも通っておらず、特に、【3マン】はドラだ。

それらは通ったが、なんと4枚ある【3ソウ】【6ソウ】の前に、【白】が白鳥の元に!

リーチ【白】赤の7700は8000、強烈なアガリが決まった。

ドリブンズのSNSでは出場選手紹介の際に小気味よい文章が綴られるが、太の紹介でよく使われるフレーズに「あなたの心臓に、負担かけさせていただきます」がある。

もちろんただやみくもに突っ込んでいるわけではなく、太のなかで通せる理、あるいは押す理由があっての選択も多い。しかし、それでも麻雀において絶対はなかなかないし、今回のようにリスクが大きい場面もある。

さすがにこの局はファンの心臓に負担がかかっただろうが、こういうスリリングな麻雀は見ている側をワクワクさせてくれるし、それが渡辺太という打ち手の魅力でもあるだろう。

太は南3局2本場でも菅原、白鳥の2軒リーチに対し、三色ドラドラ赤の満貫テンパイから親に通っていない【8ソウ】をプッシュ。勝負どころであり、最後まで押していく。この局は白鳥にアガりきられてしまったが、太を見ていると、押すべき手をしっかり押しきることの大切さを感じさせてくれる。

試合後に「ヤンチャした」と振り返った太だったが、だったら放銃も多いのではないかというと、そうではない。これは試合後のスタッツだが、アガリも放銃も多かったなかで、太はアガリ5回に対し、放銃はゼロ。不利なめくりあいに勝ったのは幸運によるところもあるが、こうした数字からも、太の攻めがただの棒攻めではなく、戦うべき局面をしっかりと見極めていることが見えてくる。

これからも、たくさん我々の心臓に負担をかけてほしい。そしてその先にある、さらなる麻雀の面白さを見せてほしい。

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