単に「ツイていた」わけではない!〜本田朋広が混戦を制した選択を振り返る【Mリーグ2024-25観戦記 1/10 第1試合】担当記者 千嶋辰治

ソーズを厚く持ちました。
先ほどまでは【4ソウ】【7ソウ】の2度受けだったのですが、マンズを払ってみるとあら不思議。
【2ソウ】から【9ソウ】まで、どのソーズを引いてもテンパイという姿に変化しています。

すぐに【2ソウ】が伊達から切られてこれをチーして【中】赤2ドラの満貫テンパイ。

自身の目から見て【6ソウ】が3枚見えていることもあり、待ちはカン【7ソウ】に取りました。

しかし終盤に差し掛かる頃、充実の手牌を手にしていた伊達から満を持して反撃のリーチが飛んできました。

二人のめくり合いになりましたが、ここで本田の手にドラが。

残り巡目を考えて、【6ソウ】の壁で打【8ソウ】という手はあるでしょう。
しかし、本田は伊達が【2ソウ】を切っていることも加味して、

【5ソウ】の選択。待ちの枚数は変わらず、お互い1枚ずつのめくり合いが続きますが、この選択にアガリがありました。

無情にも伊達が【8ソウ】をツモ。

本田が満貫のアガリを手にしました。

それにしても、

この手がまさかこんな形で満貫のアガリになるとは…。
麻雀ってわからないものですね。

このアガリで一歩リードした本田でしたが、その後は各者ともに一進一退の攻防が続き、

南3局を迎えてご覧の状況。
後塵を拝する伊達、多井も長打一発でトップまで臨める接戦となりましたが、ここで本田の重い一撃が炸裂します。

赤2枚とドラを配牌でもらった本田。
この手が、

この形のイーシャンテンまで育ちました。
【4ピン】【3ピン】とツモると倍満まで見えますが、

アタマのはずの【東】が暗刻になってテンパイしました。

次局に親番を残している本田。
2番手の菅原に対してできるだけ点差を離しておきたいわけですが、高打点にこだわって【東】をツモ切り、後でテンコシャンコになってしまえば本末転倒。
バランスを取るのか、それとも高打点に走るのか… 本田の選択は、

テンパイを取るもヤミテン。
ヤミテンとしておくことで、ピンズが伸びた際に対応することができますが、次巡。

翻意してツモ切りリーチを敢行しました。

「リーチか、【東】ツモ切りでテンパイ取らずが良いかなという感じだったんですよ。でも… 今日は解説に沢崎誠さんがいらっしゃったので、沢崎さんをリスペクトして一巡回しリーチをやってみました。」

そう語って悪戯っぽく笑う本田でしたが、ピンズが場に高いことや相手との間合いなどを考慮してその選択に踏み切ったというのがおそらく本心でしょう。

もしも本田がツイていなければ、

テンパイ取らずから【2マン】ツモでリーチ、【6マン】で一発ツモというアガりの道を逃した時点でリーチは空を斬っていたことでしょう。
しかし、

今日の本田にはさらにアガりの道が用意されていました!

リーチツモ赤2ドラに裏ドラを1枚乗せてハネ満のツモアガリ。
是が非でもトップが欲しい菅原の追撃を振り切り、チームへトップを持ち帰ることに成功しました。

第一試合を終えて、雷電がプラス域に浮上。
逆に4位となった麻雀格闘倶楽部はボーダー争いに巻き込まれる範囲までポイントを落とす結果となりました。

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