魔王・佐々木寿人 復調の兆し
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2025年1月24日
第2試合
東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
西家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
年が明けてからトップが遠ざかっているチームを救うべく、魔王こと佐々木寿人が出陣する。
絶対的エースの寿人は、個人成績がギリギリプラスではあるものの、ここ最近の試合は防戦一方な展開が多くフラストレーションが溜まっているだろう。
ファンも寿人らしいスカッとした勝利を今か今かと待ち望んでいる。
東3局
親番を迎えた寿人に勝負手が入った。
ドラのがトイツだが受け入れ枚数を重視して、ここは打とする。
次巡のツモがとんでもない裏目のドラである。
最近の調子と、このツモの関係性は全くないものの、憎らしいったらありゃしない。
終盤にやっと自力でテンパイを入れた寿人がリーチを放ち、ツモアガリを決める。
あのイーシャンテンがノーテンバップしか貰えなくなる可能性があったことを考えると、嬉しい加点だ。
しかし、人間とは欲のある生き物であり、ツモったならば裏ドラ一枚くらい乗ってくれと心の中では思ってしまう。
東3局1本場
絶好のを引いてイーシャンテンとなった寿人だが、同巡にが切られたのを見て先切りをする。
受け入れ枚数を少しロスしてでも、先手を取られた時に後方から攻め返せるように構えているわけだ。
ここはすんなりとテンパイを入れて、リーチと出た。
ヤミテンでも12000点or18000点という超勝負手だが、絶好の待ちでリーチをして相手を降ろしながら山との勝負に挑む。
リーチ時点では受けに回っていた松ヶ瀬だが、有効牌を鬼引きしてが溢れ出す格好となった。
ヤミテンでも18000点を放銃となっており、リーチが入っていても、このテンパイで引く選択肢はなく、後悔はないだろう。
この一ヶ月間、手は入っても後一枚が遠かった寿人の一撃が決まる。
遂に魔王の復調の兆しが見えてきた。
南1局
勢いに乗る寿人はをチーし、一気通貫のイーシャンテンに構える。
親で十分な加点は手にした。後は局を消化していくことに集中していく。
を重ねると、ポン材の強さを加味して純チャンへ方向転換。
この選択がバッチリとハマり、すぐにテンパイが入る。
一連の選択を熟考せずに、小気味良いテンポで決めるところが如何にも寿人らしい。
すぐに渋川からを捉えて局を淡々と潰していく。
魔王に隙は一切ない。