背中を追い、仲間と共に──受け継がれる魂──【Mリーグ2024-25観戦記 2/7 第2試合】担当記者 小林正和

滝沢和典
「たまに麻雀で起きる… そう言う事ですよね。今日じゃなくても(笑)」

と対局の舞台裏では、目の前で起きたこの現象に、僅かに揺れ動いた胸の内を明かした。

そんな好機が、まさかの6,000点の失点へと変わった滝沢。
しかし、東3局に突如として驚愕の一打を放つ。

元々イーシャンテンの状態であったが、引き入れた【發】によってターツ選択を迫られる場面。

8巡目という中盤に差し掛かった局面を考慮すると、選択肢は
ピンフ系を目指して【發】ツモ切り
三暗刻含みとなる【7ソウ】【8ソウ】落とし
【發】の暗刻やポンの仕掛けを考慮して【2ソウ】【3ソウ】

などが挙げられるだろう。

すると、ここまで淡々と一定のリズムで打ち続けていた滝沢の手が、ふと止まった。
そして、手の内14枚から選んだ牌──。

それは、何とメンツを破壊する【5ピン】であった!

開局の小さな動揺の影響!? 誰かのリーチや仕掛けに対応したのだろうか!?
いや、特に目立った動きは無い。そして、その意図は、瞬く間に明らかとなる。

それは…

緑一色/All Green】

出現率約0.001%
数ある役満の中でも極めてレアな存在であった。

一手代わりの手順は残るものの、滝沢はあえてレア役を引きにいっているのである。

また、【4ピン】【6ピン】からではなく【5ピン】から切り出すのも理に適った選択と言えるだろう。
赤牌で【5ピン】を引戻した際は打点upのシャンテン形に構えられ、一手進むとリャンメン落としを演出し、相手に圧を与える事ができるのだ。大化けの可能性はあるものの、所詮はホンイツ・ノミ手のリャンシャンテン。セミブラフに近い牌姿だからこそ、むしろ目立った方が相手をミスリードし、得策となるという考えだ。

実際に、ドラポンの瀬戸熊にも挟まれた茅森は

受けきれず緑一色に絡まない【9ソウ】が溢れ、滝沢へ放銃となっていた。

ちなみに話は逸れるが、本日より販売が開始された

M.LEAGUE─ウエハースコレクトボックス─にも9種類のレアカードが存在するらしい。折角なので、こちらも積極的に狙ってみたいものだ。

話は戻して、この半荘の潮目が変わったのは南2局

伊達男、滝沢の魅せるオシャレ・テンパイ取らずから。

マンズの一通を見据え、打【7ピン】で一旦ヤミテンに構える選択肢も有力だったが、自分の河に並ぶ【9マン】に目をやると静かに2枚ある【7ソウ】に手を掛ける。

そして、

狙いの一つである【7ソウ】にくっつけてリーチと、攻勢に転じた。

これに対して、対局者も黙ってはいない。
その人物とは、チームは好調ながら個人成績では今ひとつ、飛躍の機会を掴めずにいる茅森であった。

しかし、対局後

茅森早香
「この局はダメダメでしたね。反省します。」

そのシーンがこちら。

滝沢のリーチを見るや否や、スピードを合わせるように【赤5ピン】を含むカン【4ピン】ターツを仕掛けると

先に滝沢が切った【7ソウ】の外側にあたる【9ソウ】を放った。しかし、

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