6巡目、魚谷はツモってきたを切ってしまい、醍醐がこれをポン。

これで醍醐はホンイツのテンパイ。
誰もが完全に流れは醍醐にいったと感じた。
しかし、この流れの中、着実に手を作っていたのは魚谷だ。

を鳴かれた直後のツモで
を引いてチートイツの1シャンテンまで持ってくる。

次巡で魚谷はをツモってテンパイ。
しかし、ここで魚谷はリーチをかけずにヤミテンを選択する。
醍醐の打点の高さを警戒したのか、それとも醍醐に傾きつつある流れを切ろうと考えたのか。
その結果はすぐに出た。

魚谷が待ち牌のを1回でツモってアガり。
ツモ、チートイツで3翻と打点は低めだったものの、醍醐に傾いた流れを断ち切ることに成功。
さらに、醍醐からトップを奪い返す格好となった。
南1局1本場。
南入最初の本局、流れを呼び込んだのは魚谷だった。

ドラのが2枚ある上に、
のリャンメンターツ、
の4連続形という最高の形。
3巡目にはをツモって、あっという間に1シャンテン。
この流れは止められない。

6巡目にを引いてきて、これでドラ3まで打点を高くしてきた魚谷。
しかも手牌は4連続形の他に、の中膨れまである。
形、打点、テンパイまでのスピード、3つが揃った状況。
これで魚谷がアガれば、予選突破は間違いない点差をつけることになりそうだ。

この流れを逃さず、魚谷は次巡でをツモってリーチをかける。
しかも待ちはの3メンチャン。
待ち牌は場には1枚、他の3人の手には6枚あるので、山に残されているのは4枚。
アガリも十分期待できる。

魚谷を追う3人は、なんとか追いつこうとするものの、最後は魚谷がをツモってアガり。
リーチ、ツモ、ドラ3、ウラ1の6翻で跳満。
3000・6000を獲得した魚谷は、48800点でトップを独走することになった。

この後、魚谷は南3局でも親番でチートイツ、ドラ2をアガって9600点を加えてトップを盤石にした。

最終南4局3本場では、魚谷が醍醐に放銃。
醍醐をアシストする形で、セガサミーフェニックスにゆかりのある魚谷と醍醐が決勝戦へ進出。
実況の日吉が言うように、「時を超えたMVPの共演」で、「骨肉の争い」A卓の闘牌は幕を閉じたのだった。

試合終了後のインタビューで、魚谷は「ツイていた」を繰り返した。
最近は最強戦で良い結果を出せていなかった魚谷。
魚谷は、このツキを味方にして優勝を目指すと決意を表明し、決勝戦に臨む。