選択肢として、点数が欲しいため赤や裏ドラを期待した待ちで即リーチもあるが、元太の選択は。

ダマテン。
巡目も深く、危険牌を引いたらオリることも視野に入れていたのだろう。

次巡、ドラのをツモ。
ここでを切って勝負する打ち手もいるだろう。
ツモればハネマンの手である。

ただ、元太は徹底する。
現物ではないが、リーチにと
が通っているためドラの
を切ってテンパイ維持。
自分がラスを引かないために、オリている100点差の4着目阿久津とテンパイ料で差をつけたいのだ。

当たり牌のを引いてきて打
。
残りツモ2回あるから、ここでリーチもあったが元太はオリを選択した。
これが昨シーズンのラス回避率91%越え、個人的に最も点数を持たせたくない選手、敵に回したくない選手1位の元太だ。
柴田のリーチは実らず。柴田はこのMリーグで、なかなか気持ちの良いアガリに巡り会えていない。
東3局3本場

供託が2000点あり、いつもよりアガリの価値が高いとされている場面。
阿久津の手牌はこちら。678や789の三色が見え、役牌のがトイツだ。

阿久津はこの手からをチーする。
678は保険で、本命はバックだろう。
貪欲にアガリを目指す方針で進んでいく。

しかし柴田にもがトイツでなかなか切られる形でもないため、阿久津にとっては厳しい状況に。

12巡目、柴田がバックで
をチーする。

次巡、テンパイ。
ただは阿久津が2枚持っているため、ほぼアガリは絶望的。
こういった状況はほかの二人にとって大変有利となるのだが、浅見はトップ目でもあるから受けに回っていた。

元太もラス目だが、阿久津を警戒し、ここから暗刻のを切って回っていく。

もう我慢強すぎて怖い。
凡人の私はを切ってまっすぐテンパイを目指してもいいと思うのだが、元太は最後まで徹底する。
元太がいると全体的に重くなる。軽いアガリがあまり発生しない。

粘る元太は終盤、ドラ1のカン
待ちでテンパイする。

次巡にドラのを引いて、先ほど柴田のテンパイ時に打たれた
を切りテンパイを崩す。
すでにかなりの筋が通っており、のシャボ待ちを警戒しての我慢だ。

ドラが重なり先ほどまで止めていた打とし、
ドラドラ赤のテンパイ。
阿久津が前巡にを手出ししており、ほとんど
のメンツから
を引いたスライドに見えるため、純粋なタンヤオではなく役牌バックであると読み切っての
打ちだ。
正確な読みと驚異的な我慢強さを持つ元太だからこその進行だ。

結果はテンパイをしていた阿久津がを掴み、元太への放銃となる。
南1局

元太が阿久津の仕掛けと柴田のリーチを交わし、裏ドラを2枚乗せ8000点の加点。
先ほどまでラス目だったのに気が付けばトップ争いに。
しかし元太はトップを無理に狙うタイプではなく、堅実に進めていくため阿久津や柴田にとっては最も厄介な2着となった。
南2局

女神の加護はまだ継続中だ。