~奇妙な違和感その2「掴みの圭」~
東4局2本場
強者が犇めくMリーグにおいても、実力最右翼と名高い仲林圭。
すべてに秀でており、総合力が高く、抜群の安定感がウリの仲林だが、今シーズンは苦しんでいる。
9月15日の開幕日、自身の初戦でいきなり四暗刻をツモって劇的なトップを飾って以来、成績が振るわず、直近は3連敗。マイナスは200Pを超える。
対局開始前のスタッツは、リーチ率0.14で最下位。この男でもここまで下振れることがあるのか。麻雀とはそういうゲームだとよく分かっている者でも、その怖さと理不尽さを痛感せずにはおれない。
さすがに個人4連敗は無いだろう。
そう期待されて臨んだ一局だったが、
東城「ロン。7700は8300」
!?
この捨て牌、この巡目、この待ち。
タンヤオ・赤・ドラは親の7700点の放銃。
事故だ。
まだ次局の牌が撹拌される音が止まない、高速決着。
仲林の手をよく見れば、
ツモと
ツモでのみ放たれる
だった。
例えばマンズを引いて面子が出来ても、
にくっついても、
切りとなる。
しかも仮テンだった東城の単騎は、次の瞬間にでも変わるかもしれない待ち。
不運すぎる。
今シーズンの仲林の苦難を象徴するかのような放銃だった。
東4局3本場
本局は、リーチに対する「読み」の基本講座。
多井の切り番。リーチの一発目に対して何を切るか?
高宮の宣言牌
は、10巡目に
が切られていることからも、![]()
![]()
からのまたぎ筋![]()
、もしくは![]()
![]()
からの、
と何かのシャンポン待ちのケースが多い。
当然、多井は面子を壊す
切りで、オリを選択。
プレイヤーズ解説の渡辺太(赤坂ドリブンズ)は「このノーテンから
を切る多井さんを見たことがない」と、絶対に切らないと断言。
当たり前を当たり前に。長年、麻雀界に君臨してきた王に抜かりはない。
仲林が追いつく。
という最高の入り目での追っかけリーチは、高宮とオナテンの![]()
待ち。
山に2枚の対決だが、
勝ったのは高宮。
リーチ・ツモ・赤・ドラ・裏で2000・4000のアガリ。
トップ目から、さらに加点に成功。
一方、仲林の逆風は続く。
東場は、完全に女性陣がリードする展開。
というか、トップクラスと名高い男性2人は、配牌もツモも利かず、ようやく入った勝負手も実らず、なかなか麻雀にならない。
~奇妙な違和感その3「りおパラらしからぬ?」~
南1局
東場の勢いそのままに、東城に好配牌。
5巡目にあっさりテンパると、
東城の選択はダマ。
確かに、亜両面の
–
待ちは良い待ちとはいえない。
しかし、この選択には少し違和感が残った。
良形のタンピン変化を目指すなら、索子の中膨れを活かして
切り仮テンでもよかった。
これを即ツモってツモ・タンヤオの500-1000。
結果論であることは重々承知だが、東城りおという選手の強みは、真っ直ぐさだと思う。
自身の竹を割ったようなサバサバした性格同様、気風が良い闘いっぷりが魅力だ。そして勝っている時の東城が、勢いよくこれを即リーチして、一発でツモって満貫というシーンは、容易に思い描ける。














