文・カイエ【火曜担当ライター】2025年12月2日
東京一極集中のMリーグにおいて、そのイベントの多くが我が国の首都で開催されることには仕方のない側面がある。時間的な拘束はもちろん、選手の居住地が固まっているのだから、地方在住のファンが生でMリーガーの姿を拝むことは、なかなかにハードルが高い。
しかし「熱狂を外へ」のスローガンを掲げ、いずれはオリンピック競技を目指そうとするMリーグの理念は、こうした現状を打破すべく様々な施策を講じてくれている。
そのひとつが「Mリーグ2025-26 全国一気通貫ツアー」である。
すでに今シーズンは、北海道→宮城→石川を巡回し、Mリーガー3名と公式実況者が、地元近郊のファンと触れ合う機会を提供している。
そして、この日は愛媛県は今治市において、今年最後の一気通貫ツアーが開催された。
#Mリーグ全国一気通貫ツアー in 愛媛・今治
本日会場にお越しのお客様と記念撮影📸
一気通貫ツアーではMリーガーが
全国各地・貴方の街まで来場します👀🏟今後の一気通貫ツアー開催情報🏟
【2026年開催】
福岡PV:1/13(火)
大阪PV:1/27(火)※A席完売🙇♂️
愛知PV:2/17(火)… pic.twitter.com/lXKhTbsPi7— Mリーグ/プロ麻雀リーグ (@m_league_) December 2, 2025
さらに来年は、福岡→大阪→愛知→長崎と周遊し、3月には沖縄での開催が予定されている。
これにより文字通り、北は北海道から南は沖縄まで、日本列島を「一気通貫」する行程を辿ることとなるのだが、足掛け半年弱に及ぶその道程の途上で、四国→九州→関西→東海→九州と蛇行? するさまは、さながら![]()
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のような、理牌をしていない牌姿が想像される。ちょうど9つの都市で構成されているあたり心憎い。
むろん東京偏重とはいっても、単にMリーグの舞台が港区浜松町のスタジオにあるというだけで、実際に現地で試合を「生観戦」できることはない。どのみちカメラを通して観戦せざるを得ないのは、東京にいても地方にいてもチームの楽屋にいても同じで、それ故に選手4人だけで卓を囲む静謐なあの空間には、独特の緊張感が漂うことになるのだろう。そこに、応援の声は届かない。4者がただ孤独に、牌で会話をするのみである。今シーズンから2卓同時開催がはじまったが、個人的にはやはり、ぽつんと一卓だけが置かれた、あの一種異様な空間の在り様も捨てがたい。
Mリーグもゆくゆくは、野球やサッカーをモデルとした地域密着型を志向することになるかもしれないが、スポーツとは異なり、生観戦の実現は容易ではないだろう。頭脳スポーツに要求される集中力の問題が大きいためだが、いずれ選手はヘッドフォン等を着用して、スタジアム型の中央に、リングさながら一卓を設けて、対局が繰り広げられるといった未来も到来するのだろうか。
何にせよ、大勢でわいわい観戦するMリーグもまた格別だ。
最近では飲食店やカラオケ店でも中継されるなど「ライブ感」や「コト消費」はどんどん広がっている。まだ未経験の視聴者におかれましては、いちど近くのイベントに参加されると、新鮮で愉しい経験ができると思う。そうだ 一気通貫ツアー、行こう。
第2試合
東家:仲林圭(U-NEXT Pirates )
南家:逢川恵夢(EARTH JETS)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:東城りお(BEAST X)
なぜ長々と「一気通貫ツアー」の話を枕にしたかといえば、この試合において、実に3回も一気通貫という手役が出現したからに他ならない。しかも鳴きではなく、すべて面前。これは非常に珍しいのではないか。素敵な偶然もあるものだ。
まずはその3局を見てみよう。
南1局1本場
西家の伊達が、いきなりドラの
を重ねてチャンス手。
親の仲林もカン
を引き入れイーシャンテン。
数巡が進み、この場面。
いま、親の仲林から
が切られたところ。
チャンス手の伊達は当然、ドラの
と
のWバックで仕掛けるかと思われた。
しかし、これを見送る。
実況・解説にもコメント欄にも、少し疑問符が生じた。
理由を探れば、親から鳴くと、親の現物を消費してしまうというデメリットくらいか。
さすがは守備意識の高い伊達だと納得しかけたものの。














