一気通貫、百花繚乱！自画自賛する仲林圭【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン観戦記 12/2 第2試合】担当記者カイエ

実際には伊達は「普段は鳴くのだが、反応できなかった」のだと対局舞台裏のインタビューで語った。逢川の河がソーズのホンイツ志向で、から仕掛けると余計に字牌の出が重くなるのではないかという大局観もあった。だが、それでも「普段通り」ではなかった。

今シーズンの伊達は、序盤こそ珍しくマイナスポイントで推移していたが、ひとたびトップをとるや連対に次ぐ連対を記録する、ポイント量産モードに。ここまでなんと７連続連対中で、あっという間に個人成績も３位まで順位を上げてきた。しかも他がラスを引いたことで、４着回避率のタイトル争いにおいても１位に躍り出た。出場13試合で４着はわずか１戦。
さすがは麻雀そのもの。今期も定位置に君臨だ。

しかし、そんな伊達にも、この半荘中は「動揺」の連鎖があったのだという。
その遠因となったのは東3局。

流局間際のこの状況から、

東城の片アガリをオリ打ちしてしまっていた。
三色・ドラ・赤は3900点の放銃。

確かに東城の仕掛けと捨て牌から７８９の三色とは読みにくい。ただ、直前にが通っている。まだツモが一回残っているとはいえ、「ふっ」と隣の牌のを切ってしまったのだという。らしからぬボーンヘッド。

さらに伊達の「動揺」は次局も続く。

東4局

いまツモってきたは、自らがポンしている牌。
だが、くっつきのイーシャンテンであるこの手から伊達は、加カンをするわけでもなく、このを手の内にとどめたのだった。打。

リアルタイムの観戦では、完全安牌を確保した守備的な判断かと思われた。
だが、ここでを手に収めてしまう打ち手は、そもそも３つ鳴いてのイーシャンテンの手組みにはしないだろう。それに、も完全安牌なのだ。
くっつきテンパイのかたちで、４枚目の字牌を２枚、まだ捨て牌３段目にも達していない状況で保持するというのはさすがにおかしい。

伊達本人の自白によれば、これも連鎖したボーンヘッドだった。いわゆるポンカスを見落としてしまうというミス。麻雀を打っていれば、誰しも一度は経験があるだろう。

そんな２度の「動揺」を経て、仲林からのに声が出なかったのかもしれない。

結果はリーチ・ツモ・一通で、4000は4100オールのアガリ。
仲林の、親番での大きな加点となった。

南1局3本場

２つめの一通は逢川。

一通の完成形からダマテンの判断。

これが功を奏し、同巡に東城からあっさりがツモ切られる。
ピンフ・一通・赤は満貫のアガリに。

南4局2本場

３つめの一通は東城。

オーラスの親番４着目につき、誰よりも先制リーチを打ちたい場面。
ペンはドラ待ちだが、ここは子方を押さえつけにいく。

満貫ツモでは200点届かず、トップまでハネ満ツモ条件だった逢川。
しかし東城からリーチ棒が出たことにより、ここでは満貫ツモＯＫになっている。
タテ系のトイトイや三暗刻なら条件を満たすが、親のリーチに飛び込んでしまってはラスまで見えてしまう。持っている牌の種類も少ない。ここはのトイツ落としで迂回を選択。