12戦ぶりのトップへ いつだって園田賢は “やれることは全部やる”【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/22 第1試合】担当記者 後藤哲冶

この形からカン【4ピン】のチーで発進。
現状ドラもなければ赤もなく、打点が無いが、そもそも仕掛けないとアガリは厳しいと判断。
この前向きな仕掛けが、本田の長所だ。

しかし先制リーチが優から入ってしまう。
入り目【9ソウ】なのは不満だが、ドラ1でリャンメンリーチが打てるなら妥協点か。

そして本田の手番。【8マン】でメンツ完成だが、あまりにも安全牌が無い。
一旦現物の【2ソウ】を切ってイーシャンテンをキープ。

次巡【6マン】を重ねて、少考を挟んだ後【6ソウ】切り。
【3ソウ】が通ったので【3ソウ】【6ソウ】という形では当たらず、【6ソウ】【9ソウ】で当たる場合は、リーチ宣言牌が【5ソウ】なことから、【5ソウ】【7ソウ】【8ソウ】という形では持たなさそうということもあり、普段よりは少し放銃率が下がっている。

園田から切られた【6ピン】をチーしてテンパイ。
通した【6ソウ】ではなく、【4ソウ】の方を切ってカン【5ソウ】待ちに取った。
リーチをしている優の現物であることから、他家からの出アガリを期待できるのも大きい。

次巡【7ソウ】を引いてきてリャンメン待ちにとると。

見事に【8ソウ】をツモって500オール。

打点こそ低いが、この局を自身のアガリで終えられるプレーヤーが一体どれくらいいるだろうか。
唯一と言っても良いかもしれない細い糸をたどって、本田がアガリをモノにした。

誰も抜け出さない、抜け出させない点数状況のまま、局が進んでいく。

大きく局が動いたのは東3局だった。
優の親リーチに追いついた本田が、【5マン】【8マン】待ちで追っかけリーチを敢行すると。

優がドラの【8マン】を掴んで放銃。
8000のアガリで、これで本田がトップ目に立つ。

しかしその失点を取り返すべく東4局、優がピンフ赤ドラのリーチ。
待ちは【4マン】【7マン】

そこに親番堀が応戦していく。
元々はチャンタを見ていた手牌から、マンズの清一色に移行完了。
【1マン】をポンした【1マン】【4マン】待ちだが、これが山にまだ3枚残っていた。
再び残り枚数3対4のめくりあい。
今度はどちらも高打点だ。

これに勝ったのが優だった。
堀からの直撃で8000点のアガリ。
今シーズンの堀はこういっためくりあいにとことん負けてしまっている。

ここまでなかなかアガリがでない園田が、南場の親番を迎える。

ここから園田は【3ソウ】を切った。
【9マン】もいらなさそうに見えるが、この選択の理由は2つほどあった。

まずは相手の河だ。
南家の本田は、役牌の【白】そして【7マン】
字牌がいらない手で、優秀なくっつきの牌である【7マン】が余っていることから、2巡目にしてかなり形が整っていることが想像できる。
同じく堀も自風の【北】から【3マン】で、こちらも悪くなさそう。
つまり、2巡目という早い巡目ではあるものの、相手からの先制を受けた時も考えて、安全度で【3ソウ】から処理したということ。

そしてもう一点は、234の三色にはなり辛いということにある。
【4ソウ】を引いて、【7ピン】【8ピン】【6ソウ】【7ソウ】のターツを落とせば一応なることはあるが、【4ピン】を引いたときに【赤5ピン】を使う関係上、【2ピン】【3ピン】【4ピン】という形になることが少ない。
とにかく【赤5ピン】を使えるかどうかが、ドラがないこの手において非常に重要であるし、234への変化もないのであれば、【3ソウ】を持っておく価値は非常に低い。
ということで先に【3ソウ】を切った。

『できることは全部やる』
園田を表すその言葉の通り、1枚1枚の切り巡の精査も欠かさない。

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