涼しい顔の裏側
醍醐大が魅せた
超頭脳合戦の底力
【B卓】担当記者:うめきち 2026年9月20日(日)
超頭脳合戦、その名の通り集まったのは早稲田、上智、慶應、東大という顔ぶれだ。
瑞原明奈(早稲田大学国際教養学部)
黒沢咲(上智大学理工学部)
醍醐大(慶應大学理工学部)
渡辺太(東京大学理科I類)
試合前のファン投票は過去最多となる9922票。
麻雀最強戦2026 超頭脳合戦 B卓で勝ち上がるのは誰?
— 麻雀最強戦〈公式〉 (@mjsaikyosen) September 18, 2026
その中で渡辺太が37%でトップ、黒沢咲が31%で続いた。人気の高い瑞原、黒沢を抑えてのトップ投票に、解説の堀慎吾も思わず「ちょっと嫉妬しますね、渡辺太の人気に」と嫉妬してしまうほどだった。
堀自身もKADOKAWAサクラナイツ所属のMリーガーだ。同じ舞台で戦う者同士、そこにはやはり競争心もあったのかもしれない。
試合前のインタビュー動画では、それぞれの頭脳の使い方が垣間見えて興味深かった。黒沢は理系出身でありながら、麻雀では数字を一切使っていないと語っていた。文系で私もほとんど数字に頼らずに打っているので、これには勝手に親近感を覚えてしまった。太は黒沢について、過去のMリーグ対戦で何の躊躇もなく押す姿に後光が差していたと語り、心震わせる一打を打ちたいと意気込んでいた。瑞原の代名詞である「ゴリラ麻雀」、正直この日まで私はゴリゴリ押しまくる打ち筋のことだとばかり思っていた。でも本人いわく「ちょっと鈍感になって打つ」ということらしい。そんなゴリラ麻雀が見られるのか。醍醐については「ねっとりツモ」が特徴的。ツモった瞬間、頭にビビビとくるのだという。この時点ではまだピンとこなかったが、試合を見終えたあとには痛いほど納得することになる。
太の勇気ある一打
東2局、まず輝きを見せたのは渡辺太だった。ダブ
をポン。しかし2900というすぐ目の前にあるアガリを拒否し、トイトイやホンイツまで見据えた7mを切る。
堀慎吾も思わず「マジっ!?」と声を上げた一打だ。普通なら
を切るところを、太はまだ3巡目という早さと打点を天秤にかけ、あえてリスクを取った。
高打点派といえば同卓している黒沢のイメージが強いが、この日はそのお株を奪うかのような高打点志向を太が見せつけた格好だ。Mリーグでも和了率の高さでアガリを取りに行くイメージのある太だが、しっかり高打点が狙える場面では無理をしてでもそこを取りにいく。
もちろん、これは簡単にできることではない。目の前に2900が転がっているのに、それを蹴って12000を取りにいくのだから、この決断には相当な勇気がいる。配信されていない対局ならまだしも、最強戦という大舞台で多くの視聴者が見ている中、もしこれがアガれなかったら批判する人だって出てくるかもしれない。それでも太の中に、そうした怯えは微塵もなかったはずだ。自分が最適だと思った選択を、ただ淡々とやり切る。それこそが強者たるゆえんなんだろうと思う。ただ、トイトイやホンイツを狙うにしても中張牌が多く鳴きづらい牌であることは、不安要素として太自身も考慮していたようだ。これは試合後のインタビューでも語っていた。
その後
を引き入れて
ホンイツトイトイダブ
のハネマンが見える手に育て、それでいて
を続けて切らずに離して打つという繊細な工夫まで見せる。
しかしそれでも周りは太のただならぬ気配を察したのか、ピンズは警戒して誰も切らなくなり、醍醐もチーテンの取れる手を鳴かずに親の太を警戒する構えを見せた。
最終的に
ツモでダブ東ホンイツの4000オール。
堀は「すごい!」「これは見事だわ!」と感嘆していたが、私も同じ気持ちだった。心震わせる打牌をしたいと意気込んでいた渡辺太。それができたのではないだろうか。
実を言うと、私は太のこの一貫性に見覚えがある。以前、天鳳で太と同卓したとき、序盤で軽くアガれる場面があったにもかかわらず、太は無理を承知でホンイツへ向かい、結局マンガンを仕上げてみせたことがあった。あとで牌譜を見ながら、これはきっと局収支の最大化という方針に基づいた選択なんだろうと当時学ばせてもらったのを覚えている。今回もまったく同じ匂いがした。目先の2900を蹴ってまで最適解を追いかける胆力に心が震えた。
醍醐の涼しい顔
東2局1本場、ラス目で挽回したい黒沢は![]()
待ちのリーチをするが、
醍醐の忍者のようなヤミテンのチートイツのみに捕まる。
見ている人に元気や勇気を与えたいという思いを抱えていた黒沢にとっても、拍子抜けの決着だったはずだ。黒沢を見て元気をもらったという声が多いというのは、試合前のインタビューでも話題になっていた。見ている人に力を与えたいという思いを背負いながら打つのは、決して簡単なことではないはずだ。その重さを抱えたまま、この日の黒沢は思うようにツモが噛み合わず、苦しい流れに終始することになる。
一方で、堀は「醍醐が焦ってない。落ち着いてる。3着でもいいと勘違いしているくらい落ち着いてる」と評していた。太が抜け出しあと一枠を争う緊張感があるはずなのに、そんな気配はまるでない。
1枚の牌が運命を分けた南場
南1局1本場、太はリードしているからとドラのカンを我慢し、
こっそりと目立たぬように局を進める。
そして早々とダブ
ドラ3の![]()
待ちでテンパイ。
醍醐の浮いていた
が入り目によっては出てしまうような危ない状況だったが、
が運よく使える形になりリーチ。












