下家の萩原
この形からをスルー。
七対子イーシャンテンであること、トイトイや四暗刻もあることから見送ったのだろう。
これも、ミスの部類だ。
当面のライバルである前原が仕掛けてアガリにきている。トップを守るためにも、自分も速度を合わせてを仕掛けてアガリに行くべきでだ。
門前での受け入れ4枚(1枚ずつ切れている)のチートイツイーシャンテンに構えるよりは、
仕掛けての受け入れ4枚(切れている枚数を引いている)ホンイツイーシャンテンに取るほうが良い。
チートイツは有効牌をツモってこないとテンパイしないのに対し、ホンイツだとポンが効くからだ。テンパイまでの速度が違う。
アガリの可能性はもちろんのこと、スルーしてしまうと終局時のテンパイ率も下がってしまい、ノーテン罰符を払う可能性も高くなってしまう。繰り返しになるが、ここでライバルの前原に差をつけられるのは避けたい。
守備面においても、切っていくはもちろんのこと、手にあるやも安全度の高い牌なので、手詰まることもないだろう。
結局この半荘も、萩原は前半のリードを守り切れず、3着に終わってしまった。
今日取り上げた2つのシーンのように枚数や仕掛けを軽んじていては、手数が圧倒的に少なくジリ貧になってしまう。
厳しい言い方だが、受け入れ枚数や速度の意識を変えないと、これからも浮上するのは難しいのではないか。
先週、勤務している塾で教室長の先生が、
「Mリーグ、弟さん頑張ってるみたいやん」
と話しかけてきてくれた。普段は、麻雀の話などしない人だ。気にかけてくださっているのだなぁと嬉しく思い、はい、と苦笑いしながら答えたら、先生はこう続けた。
「萩原聖人はアカンみたいやなぁ」
そう、世間の注目は圧倒的に萩原聖人なのだ。やっぱり名前を見るとみんなが気になる。
私は答えた。
「まだ始まったばかりですから」
マナーや所作は短期間で修正してきた。麻雀もこれからとんでもなく強くなるのでは…萩原聖人はそんな期待を抱かせてくれる男だ。
そして、萩原超進化のカギを握るのは、同じチーム雷電、2番手で登場した瀬戸熊ではないだろうか。
2回戦
東3局
瀬戸熊の魅力は気持ちの良い「火の玉ストレート」
親番でダブトイツのこの手牌。瀬戸熊の選択は…
打。ダブ赤ドラで打点は充分。このように受け入れ枚数のロスを最大限抑えることで、アガリへの道を真一文字に突き進む。
派手な河にはなる。しかしだからといって、全員がオリに回ってガチガチに絞るわけではない。
この局も、瀬戸熊の切り出し