ラス目の親である上家の小林は、南を第一打に切った後、ストレートに手を進めてきている。濃い数牌の
も切り出されているので、臨戦態勢にあることは読める。
3着目の自分は、点棒状況的に親が来たとき戦わなくてはならないことが多い。しかし、のちのち勝負をするときに愚形が残っていたら、不利な勝負を挑まなくてはならない。
ここで![]()
のカンチャンを払って、
と![]()
![]()
![]()
の良形くっつきを期待する一打だ。
また、この打
にはもう一つメリットがある。
続けて
が切れるので、このように安全牌を持つこともできるのだ。
さぁ、どうなるか…
「チー」
小林の切った
をチー。多井の狙い通りに良形ターツが出来上がった。
を残せばドラをキャッチすることもできるが…
多井は打
。
先ほども触れたが、いつ小林から火の手が上がるか分からない状態。ドラ表示牌を浮かせるのは守備的に不安定だ、との判断だろう。
そしてついに、小林から満を持してリーチの声がかかる。
(盤面図の白い牌は手出し、網掛けの牌はツモ切りです。)

飄々とした表情のリーチだ。高いのか…安いのか…
そして、
多井にも![]()
待ちのテンパイが入る。
しかし、自分の手にドラは無し。どこまで押せるのだろうか…
まず、手元にやってきたのは…
。
と入れ替えて押せるか…?
この時点では、まだ通っていない牌も多い。リーチ前に
や
が切られていることからも…
ここはまずワンプッシュ。無事通過。
次に
を引くが、
これもノータイムで押し。
小林にツモられると自分がラスになる可能性が高い。良形でテンパったここは勝負どころだ。
しかし、多井のアガリ牌58pはなかなか姿を見せない。小林に通った牌の種類も増えてきた。
「頼む…ツモれ…」
念をこめて引いた牌は、
なんと、ドラの
。
盤面を見て考えてみよう。














