しかし成績としてはもうこれ以上悪くなるようなことはなく、お膳立ては整っているとも言える。麻雀というものを、これまで触れていなかった一般の方や芸能関係にアピールできるのは彼だけであり、そういう意味では萩原の復活にMリーグの行方がかかっている。
瀬戸熊直樹(5・4・3・4)+84.3(6位)
基本雀力A
ルール適応力A
方正みたいな髪型SS
総合A
瀬戸熊の解説を聞いていると「流れ」や「勢い」を大事にしていることが非常にわかる。今の人は何を言っているのかわからないと思うが、だからといってイコール「間違っている」とはならない。配牌からの構想は基本に忠実で、押し引きはとてもメリハリがあって思い切りがいい。結局「流れ」を意識するかどうかは置いといて、やることは一緒なのでは…と思えてくるのだ。また、慣れないルールに最初は苦労していたようにも見えたが、今はもう打ち方が既に確立したかのように堂々と打っているし、それに伴い成績も安定してきた。
黒沢咲(4・4・3・2)+155.2(2位)
基本雀力B
ルール適応力B
セレブ打法SS
総合Seleb
最初の方の対局で、ドラ3の手牌でポンできる役牌をスルーしたときに、失礼ながら(これでは通用しない。もうこの人を観戦記にとりあげることはなさそうだな…)と感じた。ところが今や「セレブ打法」はMリーグを席巻し、多くの打ち手が惑わされ、そして全体で2位の好成績を収めている。今や観ていてその選択が一番気になる人になってしまった(笑)特定の人に好牌が集まるなんて認めたくない…なぜ通用しているのか…そういう疑問も含めて、こういう特殊な打ち手が1人くらいいた方が面白い、と思えるようになってきた。
まだ私は彼女に対する評価をしっかりと用意できていない。要注目である。
(なお正しくは「celeb」)
KONAMI麻雀格闘倶楽部
佐々木寿人(5・3・4・8)-126.1(17位)
基本雀力A
ルール適応力A
爆発力A
総合B+
「多くの打ち手は考えすぎだ。麻雀はもっとシンプルでいい。」という考えを貫き通しているのが佐々木寿人である。私もどっちかというとこの考え寄りなのだが、それだけに本当に読みが深い選手が集まった時にこの考えが通用するのかに注目していた。結果は出ていないが、あまりにリーチがアガれていないようにも感じる。彼はもともと自分を曲げない打ち手であり、チームが大きくマイナスになっている今だからこそ、さらに押してくると思われる。
高宮まり(1・3・4・3)-158.0(19位)
基本雀力B
ルール適応力B
美しさSS
総合B
最初、多くの打ち手が戸惑っていたように、高宮もどう打っていいのか戸惑っていたように見えた。未だにその戸惑いが拭えていないように見える。大きなミスはないし、チームの他の2人同様にリーチはかかるもののなかなかアガれない展開が続き、時おり見合ってない押しをしてしまう…というような悪循環に陥っている。また手拍子で打ってしまうことも多い。周りがみんな格上だからこそ、落ち着いて、慌てずに、自分の麻雀を貫き通してほしいと思う。彼女はまだ、舞台に立っていない。
前原雄大(3・5・0・5)-54.3(16位)
基本雀力A
ルール適応力B
安心感SS
総合B+
「これが麻雀?っていう麻雀を打つ」そう宣言するものだから、私は楽しみに見ていた。だが1回リーのみで2軒リーチに追っかけたくらいで、あとは大人しい選択ばかりだったように感じる。チームメイトをニコニコと見守るパパのような存在で、それはそれはとても温かい光景だ。しかし、私が見たかったのはそんな生ぬるい光景ではない。多くの同卓者が「あいつはわけのわからない強さがある」と口を揃えて言っているのを聞いた。私はそんな相手の心を折るような前原の麻雀の謎に迫りたかった。このままでは終わらないと信じている。
本来はAとかBで、単純にその人の麻雀を測れるものではない。失礼は承知の上で、あくまでも便宜上、かつ私の勝手な判定でつけさせてもらった。これまでの総合評価をまとめてみよう。
赤坂ドリブンズ ↑
園田S 村上A たろうA+
本人たちが「普通に打てば優勝ですよ」と言っている通り、隙が見当たらない。ルールにアジャスト中の村上が鳴きのバランスをマスターしたらいよいよその地位は盤石になるだろう。
EX風林火山 →
亜樹B 滝沢B+ 勝又A+
ドリブンズに対してこちらは隙がありそうに見えるが「亜樹、滝沢が守って勝又が勝つ」という図式が確立されつつある。リードした今の局面から大崩れする可能性はドリブンズより小さいと見る。
渋谷ABEMAS ?
多井A+ 白鳥A 松本A
約400ptを溶かしてしまったABEMAS。平常心で臨めば浮上は必至で、そういう意味では伸び伸びと打つ松本が安心感あり、気負いの激しい多井、あとがない白鳥が心配ではある。
U-NEXTpirates ↑
小林A+ 朝倉A 石橋A
この位置にいることがおかしいくらいのチーム。たまたまトップが少ないだけであり、躍進が確実の小林、実力上位の朝倉、安定感の石橋の3人を見る限り、後半戦はマイナスの成績で終えることはないだろう。
セガサミーフェニックス ?
魚谷B+ 近藤B+ 茅森B
3人とも多忙であり、なかなかMリーグに集中できないのが本音であろう。しかしそれは年俸をもらっている以上、言い訳にならない。近藤の復帰でどこまで立て直せるのかに注目が集まる。
チーム雷電 ?
萩原B 瀬戸熊A 黒沢Seleb
萩原の復活にかかっている。萩原は、心が折れるような展開が続くが、逆に言えばもうこれ以上下はない。瀬戸熊やセレブがギリギリ支えてくれたこの状況、後半戦報いることができるだろうか。
KONAMI麻雀格闘倶楽部 ?
寿人B+ 高宮B 前原B+
3人ともやたらリーチが滑るなど、展開が悪いのは共通している。その結果を受けて、どう打つかが問題。寿人はそのまま、高宮は自分を確立することが課題、前原はそのベールを脱いでほしい。