“お前の点棒は俺の点棒”寿人流ジャイアニズム【熱論!Mリーグ】

「おい白鳥。その点棒、俺のだから返せ。利子は付けないでやるから」

第1試合は3着で終了。この満貫でなんとかラスを回避することができた。

しかし、ここで満足するわけにはいかない。

なにせ最下位のため、とにかくポイントを叩く必要がある。

すぐに総帥・前原雄大と反省会を行い、次戦へと臨む。

 

【第2試合】

第2試合は園田・多井・滝沢とのマッチアップ。

3人とも個人成績でトップ4に入る選手だ。

相手のエース級を止めることができればチームにとっても弾みがつく。

何より、前の試合でライバルの滝沢に好き放題されたのだ。寿人が黙っていられるはずがない。

試合は東3局の親番、ついに寿人にチャンス手が到来した。

狙い目のが既に3枚切られているが、迷わずリーチ。

「3枚河にあるなら、残り5枚は山にある」

このふてぶてしさが寿人流だ。

俺の牌は俺のもの。出てない牌は俺のもの。他人の牌などいざ知らず。

このはリーチ時で山に2枚だったが、他家に流れてしまう。

しかし、回り回ってテンパイした園田からが打ち出されて12000のアガリ。

これまではリーチされても他家に押し返され、なかなか自分の有利な状況を作り出せない展開が続いていたが、今回はその押し返しを上手く利用した形となった。

「8引く3は5だから。ツモれなかったのは残念だがな」

本当は8引く8で0だったのだが…この満貫でトップ目に浮上した。

そして、切れ味鋭い一打を見せたのが南3局。

一旦は七対子を単騎でテンパイし、ヤミテンに構える。

次巡、場に2枚切れのから、中張牌の単騎に変えてリーチ。

滝沢と多井が萬子の中張牌をバラ切りしており、がまだ生きていると読んでの決断。

すると、この判断がズバリ的中!はまだ山に3枚残っていた。

引き上がって3200オール。園田のあわや四暗刻という手を潰すことにも成功した。

「4引く1は3だからな。そりゃツモれる」

先ほどの12000をアガった場面と比べると、どこか得意気に見える表情をしている。

それほど本人にも手応えのあるアガリだったのだろう。

もしくは全員から点棒を奪えたことを喜んでいるのだろうか?

試合はこの3200オールが決め手となり、寿人が通算6度目のトップを獲得した。

しかも現在首位のドリブンズ・園田にラスを押し付けるという、嬉しいおまけ付き。

インタビューでは久々のガラクタポーズ。

ライバルの滝沢の打ち筋が“柔よく剛を制す麻雀”だとするならば…

寿人の打ち筋は“剛で剛を捻じ伏せる麻雀”と言える。

つまり

「俺の点棒は俺のもの。他家の点棒も俺のもの」

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