まさに「えげつない」死闘の結末…Mリーグは次なる未知のステージへ【熱論!Mリーグ】

狙っていた待ちにはならなかったが、十分な手形。

この朝倉の4巡の選択だけで1本の映画が出来るくらい、躍動したツモと濃密な思考と緻密な選択だ。

そして、朝倉の表情に注目いただきたい。

卓上に入り込む勝負師の表情だ。かっこよすぎる。

朝倉の選択は、しっかりと実を結び、トップの滝沢に肉薄する4000オールのアガリ。

第1回戦は、朝倉が逃げ切り、

1位:朝倉(Pitares)+55.7

2位:滝沢(風林火山)+8.5

3位:白鳥(ABEMAS)▲21.8

4位:茅森(フェニックス)▲42.4

となった。

第1回戦終了時で、パイレーツは54,800点以上のトップ、フェニックスは197,700点以上のトップが必要だ。

そして、レギュラーシーズン最終戦は、日本プロ麻雀連盟、最高位戦日本プロ麻雀協会、RMU、麻雀連合の4団体を背負うエース、そしてレギュラーシーズンでしのぎを削る戦いをしてきた4チームを背負うエースが揃い踏みした。

パイレーツの船員が乗り込んだ船は、目の前にかすかに見えるファイナルシリーズに向けて大海原を泳ぐ。そして、フェニックスも一縷の希望に向けて、大きく羽ばたく。

最終戦は、

多井隆晴渋谷ABEMAS 

近藤誠一セガサミーフェニックス

小林剛U-NEXT Pirates 

勝又健志EX風林火山

の対決だった。

<南1局1本場>

最近、絶好調の現在10連帯中の多井が親番。

多井が鳴いても良し、鳴かなくても良しのこの形から間を引きいれて、6巡目リーチ。

同巡にドラドラの近藤もテンパイをいれてペンで勝負。

近藤のリーチは、打点は十分だが、待ちが悪すぎる。ここからまた多井の横綱相撲、2月最終場所が始まってしまうのか。

2軒リーチを受けたパイレーツ小林。あと22,400点が欲しい。親番はまだ残っている。

ここで持ってきたのは、ドラの

あぁ、麻雀の神様よ、パイレーツに試練を与えすぎではないのか。

小林はいつもとなんら変わりない、これまで続けてきた丁寧かつ柔らかい動きで、、、

2軒リーチに対して覚悟のドラ切り。心中はいつもと同じはずではないのだが。

この意図としては、

①親番の多井は切りリーチなので、とターツで持っている可能性が低く、単純な両面待ちで当たりづらい。また、近藤の捨牌からはソウズの状況が全く分からないのだが、1,8000点持ちの3着という点数状況から親の多井の捨牌にある待ちだとしても追っかけリーチをする可能性が高く、その分、ドラで放銃するケースは少なくなる。

を止めて迂回したとしても、2軒リーチの共通現物を持っておらず、アガリに向かうには現状、危険牌を最低2筋押さなければならない。また、自分が降り切れたとしても多井→近藤、近藤→多井の放銃が嬉しい状況ではない。

③小林自身で22,400点稼がないと行けない立場なので、リーチ棒5本かつメンタンピンまで望める手牌で自分のアガリの価値を大きく考えている。鳴いてテンパイできる牌がリーチ者の近藤から出た場合は、鳴いてテンパイを取るのだろう。そのための手広さMAXの打

覚悟の打とも言えるし、追い詰められてる打とも言えよう。

この小林の表情には、美しさを感じてしまった。

次巡、あっさりと近藤がの一発ツモアガリ。山には、最後の1枚。

多井の山5枚の待ちをくぐり抜けて、渋くて力強い跳満に仕上げる。

<南4局0本場>

小林は、役満条件を最終局にしっかり残した26,300点持ち。32,000点をアガることができれば、条件を満たしファイナルシリーズ進出だ。

ファイナルシリーズ進出が決まっている風林火山・勝又は、なんとしても素点を回復して、できれば着順アップもしくはライバルの多井の着順ダウンを狙いたいところ。

親番をむかえて8,400点持ちのラス。

勝又はこの手牌からの対子を落とし、

上家の小林が切ったをポン。

現状タンヤオのみの1500点の手で、素点も大きく稼ぎたいところだが、、、

小林は役満条件であり、国士無双に向かっている。そのため、初牌のも重なることが少なそうだし、小林がこれから大量に中張牌をサービスセンターしてくれるため、遠くて安い仕掛けだが、動き出す。

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