あっさりを中抜きして手を壊す。
同一人物とは思えない。
さらに印象的だったのが…
南3局2本場。
またしても対面の近藤プロのリーチを受けた場面。
沢崎はここで現物のではなく、中筋のを切ったのだ!
牌図を見てみると、近藤のリーチに対して東を仕掛けている園田がと猛烈に押している。沢崎はなるべく園田に鳴かれないように選んだのがというわけだ。
このとき、園田の手牌は…
カン受けのあるイーシャンテンだった!
カラい!カラすぎる!
沢崎がいかに自分の親で攻め、相手の親で守っているかわかるだろうか。
こうして沢崎は絞り切り、園田はノーテンで流局。
そしてオーラス、近藤の猛烈な追い上げを抑えて…
トップを死守した。今季7回目となる笑顔のインタビューだ。
来週をもってMリーグは年末年始のお休みとなり、試合はない。
(12/21~1/5がお休み期間)
年が明けて3月になると、すぐにレギュラーシーズンは終わる。
(レギュラーシーズン最終日は3/9)
桜の季節に桜の戦士たちが優勝争いをしているのは想像に難くない。
そのサクラナイツの原動力となっているのは、間違いなくこの沢崎だろう。
オマケ①
沢崎は画像の笑顔のようにとても穏やかな選手だ。
アガったときも
「8000は8600です」
と、とても丁寧に点数申告をする。
厳密に言うと「です」は不要であり、点数だけを申告するのが基本だ。
でも1番の年長者が謙虚に「です」を付けて申告している姿を見ると、沢崎の人柄が垣間見えるようで、とても好感を持ってしまう。
もう沢崎の点数申告は勘弁してくれ…という他チームの声が聞こえてきそうだが。
オマケ②
この半荘は、全部で20局。そして2回戦も15局の長丁場となった。
終了時間が0時を越え、日を跨いだのはMリーグ開幕以来初めてのことであり、全くもって観戦記者泣かせだ(笑)
これだけ長いと他のどの選手にも見どころはたくさんあった。特にオーラスの近藤の追い上げは猛烈だった。文字数の都合で全ては紹介しきれないことをもどかしく思う。
オマケ③
特に印象的だったのは、2回戦の村上だ。
顔を赤くし、気合を全面に押し出していた。
いや、顔が赤くなるのはいつものことだが、それにしてもいつも以上に気持ちがこもっていたのだ。
折り返し地点を迎えたところで、昨年の覇者であるドリブンズは-249.2ptと最下位にあえいでいる。1回戦の園田のラスで負債は300ptを越えた。
村上としては昨年思うような活躍ができず、園田や鈴木たろうに救われた形だったので、今こそ自分がチームのピンチを救いたいと思っているのであろう。
ドリブンズの逆襲なるか…が後半の見どころの1つと言えよう。
終盤が近づくにつれ選手の打牌にも魂がこもってくる。
勝って喜びを爆発させ、負けて涙に明け暮れる。
冒頭に言ったことをもう一度言って終わりにしよう。
Mリーグはここからが面白い。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」