最高形を残す打だった。
次に手番が回ってきた、たろう、
を引いてイーシャンテンに。
次の多井のツモは、
だった。そのままツモ切る。
たろう、これをチーして打。のみのテンパイをとった。
門前でいきたいのはもちろんなのだが、河が濃くなっていた多井の長考を受けての仕掛けだろう。俊敏な切り替えだ。
たろうのアガリ牌はなかなか姿を見せない。そして数巡が経ったとき、
多井がをツモってきて、そっとを12枚目に並べた。ツモれば役満だ。多井のソフトな動作と反比例して、見ている者のボルテージは最高潮になっていった。
「さぁ決められるかスター多井!」
実況の小林も胸の高鳴りを隠せない。
次の多井のツモは…、違う。
その次の多井のツモは、
。これも違う。
多井もこの表情。
少し山がすすんだときに、手牌が開かれた。
「ツモ」
ツモったのは、たろうだ!多井の大物手をひらりとかわす400-700は500-800だった。
役満が不発に終わってしまった多井。だが意気消沈することなく、続く南2局で、
赤ドラ、1600-3200のアガリを決めてやや抜けたトップ目に立つ。
そして親番で迎えた南3局の配牌は、
ドラとがトイツだ。この手を決めることが出来たならトップ濃厚。2020年、白星発進なるか。
「リーチ」
…え?
第一ツモでを持ってきた萩原が、右手を大きく振りかぶってを力強く曲げた。この勝負所でダブルリーチがかかった。
それを受けた多井は、
前原が切ったをでチー。真っ向から受けて立った。
2着目の萩原からの攻め。ツモられてもトップ陥落だろう。ならば放銃覚悟で、自身がアガり切ってしまえばいい。
さらに、
を引いて、無筋のを切る。
次巡を引いて、
この覚悟を決めた面持ちで、
を切り飛ばしていく。向かうはホンイツ。
だが、なかなか多井は追いつけない。そんな中、
前原からが放たれた。
裏も乗った!ダブルリーチ赤裏、8000のアガリだ。
追う萩原に対して、多井が300点リードでオーラスを迎える。
南4局
萩原の7巡目、
なんとチンイツのイーシャンテン!
ごちゃごちゃしているので分けて書くと、
+++
という形だ。萩原はのチーに備えて、両サイドにとを配置している。