Mリーグweeklyダイジェスト
2022年10月17日〜10月21日
■10月17日(月)
対戦カード:EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
オーラスを全員が2万点台で迎える「全員集合」の状況が生まれた接戦。最後は瑞原が満貫をアガって松ヶ瀬を逆転し、チーム・個人としてもうれしい今シーズン初トップを獲得した。滝沢は痛恨の放銃で4位転落、チームとしても今シーズン初めてのラスとなってしまった。
1位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)+54.8
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+9.4
3位 日向藍子(渋谷ABEMAS)▲17.8
4位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲46.4
【観戦記】
天国と地獄のオーラス 全員集合した南4局を制したのは…(江嵜晋之介)
第2試合
序盤に持ち点を稼いだ松本が、その後も安定した戦いでオーラスまでリードを保ち、最後は自力決着。今シーズン2勝目を飾った。南3局には小林が役なしツモをアガらずにフリテンリーチをかける珍しい場面も。寿人は4位に終わり、チームは連続ラスでポイントを減らしてしまっている。
1位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)+56.4
2位 勝又健志(EX風林火山)+3.7
3位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲18.6
4位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲41.5
【観戦記】
機は熟した! 渋谷ABEMASの若武者・松本吉弘 いざ覚醒の時へ(徳岡明信)
■10月18日(火)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
開幕から2戦連続4位だった本田が東2局の親番で6000オールを決めて抜け出すと、南場の親番でも加点してセーフティーリードを築いてトップを獲得。他3者が競りとなったオーラスでは魚谷が渋川から6400を直撃して2位キープで試合終了、一方の渋川はMリーグで初めてのラスとなってしまった。
1位 本田朋広(TEAM雷電)+74.6
2位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)+3.9
3位 丸山奏子(赤坂ドリブンズ)▲27.8
4位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲50.7
【観戦記】
「骨は拾ってやるから」瀬戸熊の激励を胸に 本田朋広が無人の荒野を歩きだす(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
東2局が9本場まで続く中、親番の茅森が6万点台まで持ち点を増やす。そこからさらに南場の親番で6000オールをツモるなど大暴れし、終わってみれば90000点ジャストの特大トップで、自身の今シーズン初勝利を飾った。90000点は現時点での最高スコアランキング1位となっている。
1位 茅森早香(セガサミーフェニックス)+110.0
2位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲4.9
3位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)▲39.6
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲65.5
【観戦記】
茅森早香、至近距離から放たれた弾丸をかわす天才すぎるアレ(越野智紀)
■10月20日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電・U-NEXT Pirates
第1試合
園田が序盤からリードする展開で進み、南3局には大物手をリーチしてとどめの一撃を狙ったが、瀬戸熊の追っかけリーチに一発放銃。オーラスでは逆転トップまで満貫ツモ条件となった伊達がツモタンヤオドラ赤の満貫で園田をかわし、自身の今シーズン2勝目を飾った。
1位 伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+54.6
2位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+14.4
3位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)▲23.3
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲45.7
【観戦記】
その戦法に隙は無し!KONAMI麻雀格闘倶楽部 伊達朱里紗に学ぶ「見切りの構え」(ゆうせー)
第2試合
優が東1局のハネ満ツモから大きく抜け出し、その後も巧みなゲーム回しと強気の攻めで加点をしながら局を進める。そのまま逃げ切りかと思われたオーラスに高宮が6000オールツモで猛追、最後はたろうのリーチに対して追い込まれたがしのぎ切り、今シーズン新加入のMリーガーの中での初トップを獲得した。
1位 鈴木優(U-NEXT Pirates)+64.4
2位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+15.2
3位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)▲26.5
4位 黒沢咲(TEAM雷電)▲53.1
【観戦記】
戦闘民族・鈴木優 超攻撃的選択と、勝敗を分けた最後の一打(東川亮)
■10月21日(金)
対戦カード:EX風林火山・KADOKAWAサクラナイツ・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス
第1試合
堀が快勝。東場の親番で立て続けにアガリを決めて他3者を大きく突き放し、そのまま試合を終えた。2位争いが熾烈になった中で、最後は白鳥が順位を守り切った。亜樹はオーラスで満貫をアガったものの、逆転には至らず4位で試合を終えた。
1位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)+77.4
2位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲0.7
3位 東城りお(セガサミーフェニックス)▲26.9
4位 二階堂亜樹(EX風林火山)▲49.8
【観戦記】
堀vs白鳥 至極の麻雀vs究極の麻雀(渡邉浩史郎)
第2試合
近藤が東3局のハネ満ツモでトップ目に立つが、松ヶ瀬が南1局にリーチの近藤から満貫を直撃。南3局の満貫ツモで勝利を手繰り寄せ、自身の今シーズン2勝目を飾った。トップ取りを狙って積極的にリーチをかけていった多井だったが、この試合は2位でまとめている。
1位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+65.3
2位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)+2.5
3位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲18.1
4位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)▲49.7
【観戦記】
「超繊細なる巨砲」松ヶ瀬隆弥 その繊細さと勝負強さが生んだ 乾坤一擲の一打(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
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茅森の大勝の裏で、勝負の潮目を変えたかもしれない村上の選択について、本人の言葉を元に振り返られている。
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初トップ目前の優を追い詰めた高宮の6000オール、そこに至るまでの丁寧な手順と思考が1巡目の何切るから解説されている。
■10/17-21の結果
12戦していまだラスのない渋谷ABEMASが独走状態になっている。安定感があり、どこまでスコアを伸ばしていけるか。雷電やフェニックスは1トップでプラス圏内に浮上できるので、まずは早い段階でトップがほしい。
■10/17-21の注目ポイント
今シーズンのMリーグは「STOP・渋谷ABEMAS」の様相を呈してきている。いくらポストシーズンで持ちポイントが半分になるとはいえ、あまり一方的に走られるのは他のチームとしても気分がよくないだろう。また、小林剛、勝又健志、近藤誠一といった実力者にまだトップがなく、彼らの活躍も待たれるところだ。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。