(問題③の場面での全員の手牌と河)

④南3局 寿人の鳴き判断
この局は沢崎が、

、
と2副露。マムシの毒気がみるみるうちに卓上を駆け抜けていった。
そこへ切り込んでいったのは寿人だった。

自風のをポン、
と
をチー。一つ一つを颯爽と晒していって、

この手格好でテンパイ。ドラドラで値段は3900。
そこへ、

沢崎からドラのが飛んできた!

さて、あなたならどうする?
①ポンして裸単騎
②ここはスルー

寿人の選択は、

手牌が1枚しかない!
①ポンして裸単騎だ!!
打点が8000点に上がるのも魅力だが、絶対に切れないを持ってきたときに単騎待ちに出来るのが大きい。沢崎に
がアンコだった場合はまさに地獄だが、それは鳴かなかったからといって回避できるものではない。
肉を切らせて骨を断つ、寿人らしい選択だ。
寿人は、

次巡、を手出し。ポンして打
の瞬間は
周りの待ちが濃厚だったが、これで何待ちか全く分からなくなった。
⑤南3局 魚谷の押し引き
挟まれた二人はさぁ大変。北も南も大迷惑、といった局面だ。
が、そこへ果敢に挑んでいった者がいた。

沢崎がツモ切ったを、

魚谷がチー。寿人に単騎の可能性があり、また沢崎にも当たるかもしれないを押して、2枚切れカン
待ちで8000点のテンパイをとった。
魚谷が二人の間に割って入っていった格好だ。そんな中、

魚谷はをもってくる…

さて、あなたならどうする?
①プッシュ!
②を切ってローリング

魚谷の選択は、

①プッシュだ!
もう一度盤面を見ると、

は非常に押しにくい牌だ。沢崎はピンズの下を全く切っておらず、シャンポンやカンチャンターツで手牌に組み込まれている可能性は十分にある。若干
を切るときに間があったのも魚谷は感知していただろう。
また、石橋も寿人も比較的早めにを手離しており、
は山にありそうな牌だ。寿人が待ちを変えるのに適した牌にも見える。
しかし、魚谷の手は満貫。南3局のここで8000点をアガれば連対はもちろん、トップまで見えてくる。残り2枚とはいえ、寿人も沢崎もを切ってくれそうな河をしている。
寿人の単騎待ちの候補は他にもある。ここは魚谷、意を決してを河へ放った。
に声がかかることはなかった。
さて、このときの寿人の待ちを、打したときに遡って見てみると、

待ち!
を対面沢崎からポンして、この
を引いたということは、寿人が
を鳴かなければ沢崎には
が入っていたことになる。