速攻型最後の砦
石橋伸洋が我々に
伝えたかったこと
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年11月17日
麻雀打ちは、大きく「打点型」「速攻型」に分かれる。
「打点型」は多少アガリから遠ざかろうとも、とにかく大物手を狙う。
一方で「速攻型」は仕掛けを多用し、手数で応戦する。
Mリーガーの多くが「打点型」である。
この成績表を見てもらいたい。↓
これは11/12までに行われた3シーズンを全てトータルした成績になる。
上位にいる佐々木・村上・近藤・黒沢・のフーロ率は10%台と低く、黒沢に至っては昨シーズン8%という、ありえない低さを記録している。
麻雀は、多数決の側面がある。
「打点型」が3人揃うと、1人の「速攻型」が不利になる。
1人で仕掛けても3人のうちの誰かの返り討ちに合うからだ。そしてその一発が重い。
「速攻型」が3人揃うと、1人の「打点型」が不利になる。
じっくりと手を作っても、イーシャンテンになる頃には誰かがアガっているからだ。3段目に入ることがなかなかない。
Mリーグでは「打点型」が多い。ゆえに「打点型」が活躍している。
たとえば魚谷はそれを敏感に察知し2年目から「私も打点型に入れて!」と鞍替えし、MVPを獲るまでに大活躍した。
しかし、かたくなに「速攻型」にこだわり続ける男もいる。
U-NEXT Pirates 石橋伸洋。
さっきのトータルスコアを見るとかなりマイナスを叩いていることが分かるが、それでも石橋は身を切るように鳴く。石橋は我々に何を伝えようとしているのか。
1回戦
東家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
南家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
東1局・良いスタートを切る
石橋の幸先は良かった。↓
黒沢から8000を召し捕っての開幕。
石橋の真骨頂はここからだ。
東2局・打点型の筆頭株主
「座っているだけで威圧行為」
解説の白鳥がそう語るのが、打点型の女王・黒沢咲
さきほど石橋にマンガンを放銃してしまったものの、その姿勢は微塵も揺れない。
このイーシャンテンから打。↓
ここからを打つ黒沢は見たことがないレベル。
はドラののそばだし、上に伸びれば678の三色もある。
さらに手が進み、ここから打↓
安全牌の発を残した。周りのテンパイはいらないという意思表示である。
もうこの手はドラを使うか678の三色という決め打ちだ。
が暗刻で危険度が高め、というのもあるだろう。実際に親の石橋の手牌は
今にもになりそうな手形である。
次に黒沢がツモったのは↓
一応テンパイは取る。
「コレジャナイ感」が伝わってくる表情だ。
すぐに石橋からリーチが入る。↓