伝説はやはり強かった サイボーグ・小林剛との打ち合いを制した精密機械・荒正義
【決勝卓】担当記者:東川亮 2021年6月19日(土)
麻雀最強戦では毎回、一定の枠組の中で呼ばれたトッププロたちによる、わずか1枚のファイナル行きチケットを懸けた戦いが繰り広げられる。
6/19に行われたのは、「男子プロ歴代王者決戦」。
過去の最強戦で優勝、あるいはそれに次ぐ成績を残した男たちの戦いである。
いずれ劣らぬ強者がそろい、決勝はMリーガー3名と、彼らへの道を作ったレジェンドの対決となった。
藤崎智。
平時は姿を消しつつ、勝負どころでダマテンでの一撃必殺高打点を決めるスタイルから、ついた異名は「麻雀忍者」。
タイトルを多数獲得し、Mリーグ・KONAMI麻雀格闘倶楽部でも活躍。
その忍法が、決勝でも炸裂するか。
荒正義。
日本プロ麻雀連盟の重鎮であり、40年以上にわたってプロ雀士として活躍してきた、麻雀界の生きる伝説の一人。
精密機械と称される麻雀は、往年のキレを取り戻してきているという。
まだまだ、若い者には負けられない。
小林剛。
荒が精密機械なら、こちらは麻雀サイボーグ。
どんなときも冷静沈着、不動心で最善手を打ち続ける男。
Mリーグ・U-NEXT Piratesでの活躍そのままに、麻雀最強戦でも頂点を目指す。
Mリーグ・赤坂ドリブンズで独自の麻雀を見せる、通称「ゼウス」。
麻雀最強戦ではかつて、オーラスの四暗刻ツモでの逆転劇で最強位を獲得している。
忍者や機械を相手に、神の雷を落とせるか。
東家:藤崎 南家:小林 西家:たろう 北家:荒
予選B卓では1回も鳴きを使わなかった小林だったが、決勝では初戦から動く。
東1局、ポンから発進し、荒から1000点を出アガリ。
なんとも小林らしいアガリで戦いは始まった。
東2局。
荒が道中で一気通貫を見切ってアガリを重視したかのような進行を見せるが、をポンしてのドラ切りテンパイは取らず、のトイツ落とし。
ホンイツ、さらにはドラ絡みか、いずれにしてもこの手を1000点で終わらせるつもりはないという意思表示だ。
そして荒がカン待ちテンパイ。
直後、小林がを引いてくるが、いったん止めて放銃回避。
しかし、手の進み方次第では打たれてしまうだろう。
そこへ、たろうが待ちリーチ。
宣言牌のを荒が鳴いて、
に待ちを変えた。
そこへ小林が追いついた。
浮いたにがくっついての待ちテンパイとなると、ここですかさず4枚抱えていたをカン。
すると新ドラが、小林の手が一気に大物手に化けた。
リンシャン牌がアガリ牌のでないなら、当然のリーチだ。
3者の手がぶつかったこの局を制したのは荒。
直後にたろうがつかんだをとらえて3900の出アガリし、トップ目に立った。
東4局、親の荒に好配牌が入る。
123や234の三色も見えるため、手材料だけなら最も不要なから切り出していく。
3巡目に役なしカン待ちでテンパイ。