オーディション最終決戦は役満決着! 矢島亨か松ヶ瀬隆弥か、準決勝に駒を進めたのは? EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディション
【2021年7月2日~7月4日】
EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディション、2次予選はいよいよ7/4の最終日を迎えた。これまでにさまざまなドラマがあったが、泣いても笑っても、この日で準決勝に進出する6名が決まる。
最終日の配信卓は、残り試合を控えた選手のうち、上位4名による卓組となった。矢島亨(日本プロ麻雀協会)、松ヶ瀬隆弥(RMU)は現実的に6位以内が見えるポイント状況。内田慶(日本プロ麻雀協会)、仲林圭(日本プロ麻雀協会)は、最低でも3トップは必要だ。タイトル獲得経験豊富なメンバーによる最終決戦、激戦は必至だ。
7/5配信対局メンバー ※ポイント・消化試合数・順位は開始時のもの
矢島亨(日本プロ麻雀協会) 339.1pt 12戦/16戦 10位
松ヶ瀬隆弥(RMU) 298.3pt 12戦/16戦 17位
仲林圭(日本プロ麻雀協会) 206.0pt 12戦/16戦 30位
内田慶(日本プロ麻雀協会) 218.1pt 12戦/16戦 24位
各者にとって、初戦は非常に重要だった。ここを取るか取らないかで、後の展開は大きく変わる。特に後がない仲林と内田にとっては、勝ち上がりのためにはここでのトップが絶対に欲しかったはずだ。
だが、走ったのは矢島だった。
東3局3本場で待ちの4メンチャンリーチをかけ、松ヶ瀬から捉えて8000点を加点すると、南3局では赤3の2000-4000ツモでダメ押し。
南4局ではハネ満ツモで逆転トップの仲林がシャンポン待ちのロン牌を見逃してまでツモにかけるが、松ヶ瀬の鳴きで仲林がツモるはずだったアガリ牌が矢島の元に。それを矢島がしっかりと手の内に収めてアガりきって初戦を制し、準決勝進出圏内に浮上した。
2戦目は松ヶ瀬が2度の満貫ツモで勝利。矢島は3位で、準決勝進出圏内から一歩後退。2戦を終えてトップがなかった仲林と内田は、勝ち上がりがかなり非現実的な条件となってしまった。
3回戦は、鳴きを駆使する矢島の手組みが光った。
南1局、役牌2つを仕掛けてドラとマンズのリャンメンターツを払う。一見するとソーズのホンイツに見えるが、実はピンズのホンイツ。テンパイ外しから3メンチャンテンパイへと打点も待ちもパワーアップして復活し、松ヶ瀬からロン。この満貫で、矢島の持ち点は5万点を超えた。
矢島にとって、ライバルはもはや松ヶ瀬ただ一人。南3局1本場では自身が押し切ってアガリをもぎ取り、松ヶ瀬の親落としに成功。3戦目を取って、一気に暫定3位まで浮上して、最終戦を迎えることとなった。
最終戦、矢島の条件は-45.3以上の成績で試合を終えること。15300点持ちのラスまで許されるとあって、かなり条件は軽そうに思える。一方、3戦目で2位に滑り込んだ松ヶ瀬も34600点以上のトップで逆転突破と、準決勝進出の可能性は残されている。矢島と松ヶ瀬、両者が準決勝に駒を進めるパターンも十分あり得た。
4戦目、絶対にトップが必要な松ヶ瀬だったが、南場を迎えた時点では17400点の4位。しかし南1局で満貫をツモり、微差ながらトップに立つ。だが、通過にはまだ足りない。
南2局、親の松ヶ瀬の配牌はバラバラ。だが、ここから国士無双を狙っても成就の可能性は低いため、普通の手に向かう。
だが、もし国士無双に向かっていたら、こので役満ツモが決まっていた。もちろん「鳴きなどが入らなければ」という前提の話だが、国士無双のアガリ逃しが目に見えるだけに、心中は穏やかではなかったはずだ。
ここは矢島がアガり、松ヶ瀬の親が落ちた。
松ヶ瀬は、残り2局で7300点を加点しなければならない。手が入らなければ終わりだ。
だが、まさか再び役満手が来ようとは。松ヶ瀬、四暗刻テンパイ。はまだ山に1枚ずつ残っている。
親番を残す内田が、鳴きを入れてアガリに向かう。
そしてズレた、松ヶ瀬の最後のツモ。ギリギリと絞ったその牌を・・・
松ヶ瀬は思わず、力強く叩きつけた。
今回のオーディションで初めてとなる、配信対局での役満。
松ヶ瀬が起死回生、値千金の四暗刻ツモで一気に素点条件をクリアしたトップまで突き抜け、準決勝進出を確実なものとした。
一方、最悪の形であおりを食ったのが矢島だった。16000点を親かぶりしてしまい、2位からラスまで転落。点数も1万点を割り込み、あれほど目前に見えていた準決勝が、一気に危うくなってしまった。
最終局、矢島は5500点以上の加点をするか3位に浮上すれば、再び準決勝圏内に戻って試合を終わらせられる。オタ風とは言えドラのはポン。打点条件は作った。
だが、最後に立ちはだかったのも松ヶ瀬だった。親の内田のリーチに対して押し切り、ツモアガリ。
配信対局最終戦にして最大のドラマが生まれ、松ヶ瀬が生き残り、矢島は敗れた。
オーディション2次予選は、最終盤で上位の顔ぶれが大きく変わった。7/3に最終節を戦った友添敏之(最高位戦日本プロ麻雀協会)が3勝2位1回の好成績で224.6ポイントを積み上げ、526.1ポイントでフィニッシュ。この時点で2位まで順位を上げ、準決勝進出を確実なものとした。また、同卓した平良将太(日本プロ麻雀協会)も最終戦の大トップを合わせて108.2ポイントを加点、400.8ポイントまで数字を伸ばし、伊達朱里紗(日本プロ麻雀連盟)をかわして準決勝進出圏内に食い込んだ。最終日を6位で迎えて結果を待った伊達は、惜しくも準決勝進出はならなかった。