2位を巡る駆け引きと激突
宮内こずえ 丸山奏子
瑞原明奈の明暗を分けた
1牌の差
【A卓】担当記者:東川亮 2021年7月10日(土)
麻雀最強戦2021で2度目となる、女性プロ同士の激突「女流プロMの城壁」。
今大会にはMリーガー、そして実績・経験・実力共にトップと言える女性プロたちがそろった。
予選卓は2位までが勝ち上がれるレギュレーション。
本記事で取り上げるA卓では、2位を巡る紙一重の争いが最後の最後まで繰り広げられた。
丸山奏子。
2019年のMリーグドラフトで赤坂ドリブンズの指名を受けてから、およそ2年がたった。
厳しい相手と戦いながら、頼もしすぎるチームメートと共に歩んだ年月は、間違いなく彼女を強くしたはずだ。
相手に不足はなし、結果が全ての戦いで結果を出し、自らの力を証明したい。
瑞原明奈。
2019年のMリーグドラフトでU-NEXT Piratesを受け、1シーズン目で頂点へとたどり着いた。
だが、麻雀最強戦ではまだファイナル進出はない。
一人の女海賊として、自身の強さ、そして価値をこの舞台で示す。
高宮まり。
Mリーグ・KONAMI麻雀格闘倶楽部で3年間にわたって活躍を続けている。
今や女性麻雀プロを代表する存在と言っても過言ではないだろう。
この日は髪の毛を虹色に染めての登場、それにしてもセクシーが過ぎる。
長らく麻雀界の最前線を走り続けてきたトッププロの一人。
Mリーガー3人を相手に、一番燃えているのはこの人かもしれない。
麻雀最強戦の舞台で、いま一度強さを見せつける。
東1局、親の丸山はいきなり苦しんでいた。
首に手をやるしぐさは、彼女が長考するときによく見る気がする。
手牌はリャンメン二つの1シャンテン、ドラ3で満貫スタートという勝負手だった。
だが画面を見れば分かるように、リーチ宣言牌になるであろうは宮内のリーチのロン牌。
もちろんテンパイなら打つはずだが、そこへ3枚目のを持って来た。
2位まで勝ち抜けの予選卓で、この手をアガりきれば相当予選突破に近づくことができる。
だが、仮に放銃したとなればその逆、敗退が色濃く見えてくる。
攻めたいのはやまやま、だが巡目は15巡目、1シャンテンからを打っていいのか。
丸山は切りを選択、いったんこらえる。
では、テンパイならどうか。
まさかの引きだが、
出ていくが今度は高宮に当たる。
これもこらえ、流局。
「親だから」「打点があるから」
そんな言葉に甘えず、リアルを見つめて判断した、丸山の胆力が光った一局だった。
だが、丸山はこのあと2局連続で3900を放銃。
点数を減らし、やや他3者に遅れを取ってしまう。