涙のあとには…
文・越野智紀【金曜担当ライター】2021年12月17日
Mリーグ2021(12/17第1試合)
本日出場の渋谷ABEMAS・KADOKAWAサクラナイツ・U-NEXT Pirates・セガサミーフェニックスと言えば、2019シーズンでファイナルに残った4チームです。
2年前の2019シーズンは各ステージで敗退寸前に追いこまれていたPiratesが荒波を乗り越え逆転優勝をしたシーズンで、中でも石橋はセミファイナル個人1位を記録するなど活躍を見せていました。
毎年お宝が近づく終盤戦から本領を発揮する石橋。
今回の対戦相手に体が反応して、少し早めの覚醒も期待されましたが
日向との2軒リーチになった東1局4本場。
石橋は最後のツモ番で山に5枚残っていたはツモれず
の最後の1枚を掴んでしまい、リーチドラ3で12,000は13,200の放銃。
南2局3本場には山に4枚残りのカンでリーチをするも
沢崎にラス牌のを引かれ、今度は4対1の対決に負け。
山に多く待ちを残しているほうがアガリのルールなら圧勝も、1枚でも先にいたほうがアガリとなるルール。
石橋にとっては悲しみの結果となりました。
8回リーチをしてアガリ1回と空振りが続いた石橋に対し、逆にアガリ倒していたのは先週のラスで悔しさに涙を見せた日向。
2019シーズンから加入した日向はレギュラーシーズン・セミファイナル・ファイナルと毎年全ての区分でプラスする安定感を見せてきましたが、今シーズンは9戦未勝利2着1回と大苦戦。
リーチ成功率が3割を切り、勝率の高いリーチを打ってツモアガリする日向の強さがここまでは見せれていませんでした。
日向のツモの発声が稀にちゅもと聞こえる(らしい)ことから、
「ちゅもちゅも言ってきてください」
そう沢山のツモアガリを願って送り出された10戦目は、これまでの鬱憤を晴らす大連荘から始まり
1時間続いた親番で唯一のツモアガリとなったのが東1局6本場。
ダブを仕掛けると、その後のツモが伸び
2着となった開幕日以来となる久々の4,000オールのツモアガリ。
これは来るのでは!? と何度も繰り返し再生をして発声を聞きましたが、残念ながら(?)ちゅもではなくハッキリとしたツモの発声をしていました。
「つ」は無声歯茎破擦音と呼ばれる舌を上歯茎に付け離すときに出来た狭い隙間から出す摩擦した音で、発声に伴い少し力が入る気がします。
力が抜けた状態で発声をした時に「つ」が「ちゅ」に聞こえるかもしれないので、トップが安泰になった状態でツモアガリをすれば出るかもと思い東2局以降は注目していました。
ところがで先制リーチを打った東3局に
深く沈みかけていた石橋に18,000を放銃すると2番手争いになりそうだった沢崎・茅森の目の色が変わり、日向に余裕がなくなります。
単騎の追いかけリーチやツモ番の無いところからのツモ切りリーチで、トップへの執着心を見せる沢崎。
楽をさせてもらえない日向は
自力で沢崎の親を流すも、安心する暇なく現れた次なる刺客・茅森が
平均打点8,112点の看板に偽りなく満貫3回と7,700を1回アガって、満貫ツモ圏内に侵入してオーラスとなりました。
ここまで未勝利で絶対にトップを取りたい日向の心の葛藤が見えたのは10巡目。
(を切れば形の良いイーシャンテンだが、ドラが1枚しか見えていないし鳴かれたくはない。自身でを切っているため、フリテンの受けが残る先切りはしづらい。を切るとテンパイへの受け入れが相当減る。鳴かれるかどうかはわからないが、を切れば自分の手はアガリが見込める。親の茅森に鳴かれるか沢崎にロンをされなければ問題ない)
そう意を決して切り。
そのが茅森に鳴かれて日向は大きく肩を落としますが
受け入れを広げていたから捕らえれた引きでのテンパイで気力も蘇り、いつもの大きく振りかぶったリーチで勝負に出ました。
茅森にもテンパイが入り無筋のプッシュ。
日向も暗カンをする真っ向勝負の中で