熊の生息地域に看板を立てておけ、俺出没注意と 麻雀最強戦2022「ザ・レジェンド」観戦記【決勝卓】担当記者:越野智紀

熊の生息地域に

看板を立てておけ、

俺出没注意と

文・越野智紀(2022年3月27日)

ついに開幕しました。

開幕3連戦は「遊びたい」と発言した新庄BIGBOSSに対し、日本を代表する強打者の柳田選手が「野球って元々遊びなので、僕も遊べるように楽しみたい」と返答したのは今年のプロ野球の話。

麻雀もテーブルゲームの1つで遊びなのですが

最強戦2022開幕戦の決勝には、遊びで済ましてもらえそうにない4名が集まってきました。

1人勝ち上がり1回戦勝負の決勝戦では、どこかで決め手になるようなアガリをしないと優勝は難しいと言われていますが

そんな決め手になるような勝負手が最初に入ったのは東3局の井出選手。

引っ張り過ぎるとペン【7マン】待ちがケアされてしまうので、頭は一度壊すことになりますが三色狙いの手順で【8マン】を早めに処理すると

純チャン三色ドラ1のイーシャンテンまで伸びてきます。

決定打にならない3,900点のチーテンの【3ピン】を優雅にスルーした数巡後に

沢崎選手からリーチ

さらに前原選手からもリーチが入り、一気に場は沸騰。

上昇した場の温度に合わせるように、自然と【7マン】にチーをかけて【1ピン】単騎待ちのテンパイを入れた井出選手

下家の沢崎選手に【7マン】をツモ切られ

さらには【1ピン】を切っているはずの沢崎選手が【1ピン】を持ってきてツモの発声。

沢崎選手の点数申告を、まるで悪夢でも見ているかのように聞かされます。

誰でも鳴く【7マン】をチーと言っただけなのに酷い仕打ちです。

次に勝負手が入ったのはフリテンの【1ピン】をツモアガリした沢崎選手。

前局アガれなかった井出選手の勝負手が横移動して届きました。

【9ソウ】ツモなら8,000オールと、ダマテンでも勝負を決めるに充分な打点でしたが

今度は井出選手がピンフをアガって沢崎選手の勝負手を防ぐことに成功。

誰にも決定打が出ず、場が揺蕩ったまま南場へ進むと

次に順番が回ってきたのは前原選手。

ここまではアガリ0回・放銃2回も大きな失点はなく感触はそこまで悪く感じてなさそうに真っ直ぐ打っていましたが、南1局の親番で分岐点が現れます。

前巡チートイツ本線で【5マン】を切ると、ツモってきたのは方向性を迷わせる【7ピン】

ドラドラの勝負手だけに絶対に間違えられないこの局面で

前巡鳴かなかった【南】の顔を立ててか、少し悩んで【7ピン】ツモ切りといきました。

【北】を切ればシュンツ手とトイツ手の両天秤となりますが、ここでチートイツ一本の選択をすると

これが痛恨の裏目となり、両天秤なら重ねられていた【7マン】が被ってしまいます。

この局、前原選手に与えられたチャンスはこの【7マン】だけで

それ以後は何の牌も重なることなく流局。

ノーテンでラス目のまま親は流れ、これで一人脱落かと感じた人もいたと思いますが

それで順番が終わらないのが麻雀閻魔。

親番が無くなった南2局にも好配牌が入ります。

この手をものにして地獄の底から舞い戻るぞと力を込めると

絶好のイーシャンテンから、お呼びでない【1ピン】がやってきました。

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