リーチ一閃、近藤誠一
文・越野智紀【金曜担当ライター】2022年4月1日
【第1試合】
東家:朝倉康心(U-NEXT Pirates)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:近藤誠一(セガサミーフェニックス)
北家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
Mリーグ2021(4/1第1試合)
全12日のセミファイナルも今日で8日目。
優勝をする為にこのステージで4位以内に入り、ファイナルへと進出するのが全てのチームの第一目標です。
昨シーズンまで同じチームで戦い優勝を勝ち取った勝又選手と滝沢選手が今年はセミファイナルで敵となって対戦しているなんて、1年前に聞かされていたら質の悪いエイプリルフールだと思ったことでしょう。
2人のセミファイナル初対戦は、序盤KONAMI麻雀格闘倶楽部の滝沢選手がリードする形で進行しました。
東3局に親の近藤選手からドラの暗カンが入ると
ピンポイントでをアシストします。
急に親のドラ暗カンと勝負してくださいと迫られた朝倉選手は「どうせやまではアシストしてくれないんでしょ?」と、強引に渡されそうになったを拒絶。
近藤選手に対しての安全牌は無くせないと受け気味の選択をしました。
朝倉選手を利用することに失敗するや「滝沢、動きます」と、作戦を変更してチー。
危険牌を押さずに目立たなければ勝又選手や朝倉選手からが出ることも期待でき、危険を感じたらと落として撤退もできる万全の仕掛けです。
運良く3巡連続で安全牌を引き続けテンパイ維持していた滝沢選手でしたが、勝又選手から切りのリーチとそのを近藤選手が仕掛けて事態は急変。
「少し前に出たにポンが入っていなかったから手出しの時に引いたのか? もしかしたらシャンポンからの待ち変えもあるかも…」
そう手牌を推測しながら牌を持ってくると
まさかの。
フル回転で起動しかけた押し引きバランス脳を止めて点数申告脳に切り替え1,300-2,600のアガリとなりました。
序盤勝負手がアガれず苦しんでいた勝又選手は南1局
を仕掛けてピンズのホンイツ模様の滝沢選手に対し
カンのターツを払ってイーシャンテンからリャンシャンテンに手を戻していきます。
ホンイツの色を避け、マンズかソーズで勝負する構えです。
仮に滝沢選手の手を進めてしまったりアガリが出てしまっても、2位のKONAMI麻雀格闘俱楽部がトップのほうが4位のU-NEXTPiratesや5位のセガサミーフェニックスがトップを取るよりは都合が良いと考えていました。
すぐにと引いてテンパイすると、珍しく待ち選択で少考。
見た目枚数よりも場況を重視してシャンポン待ちを選択するのが勝又流ですが、ここで数巡前に滝沢選手が放った毒が回ってきていたのです。
滝沢選手が不要なを残したことで、そこにがある可能性が高いと読んだ勝又選手。
最後のが期待出来ないと考えてリャンメン待ちを選択すると
この瞬間には「タッキーのマンズの形はだったか…」ぐらいに考えていたと思いますが、映像を確認した今頃では「タッキーやりやがったな!」と苦笑いを浮かべていそうです。
ここまでは柔軟な対応で順調に進めていた滝沢選手でしたが、それに待ったをかけたのが近藤選手。
1度のアガリもなく迎えた南2局。
終盤トップ目の滝沢選手から強烈な切り。
その後にを掴み、2,000点のカン待ちでは勝負にならないと安全にテンパイ維持する切り。
テンパイかと思っていた滝沢選手から2枚切れのが出て
3,900点のカン待ち。カンの2,000点と比べてアガリやすさと打点が向上。
滝沢選手がノーテンの可能性も少し増え、今度は勝負になるとを切ると