本田朋広が築き上げた、
38.4ポイントの壁
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年4月28日

4月28日 第2試合
東家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:本田朋広(TEAM雷電)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:浅井堂岐(セガサミーフェニックス)
セミファイナルは、佳境に入っていた。
残り5試合で、ファイナルへ進出するチームが決まる。
4位の椅子を争っているのは、雷電とコナミ。
本日が最後の直接対決で、明日コナミが最後の2試合を戦い、最終日に雷電の2試合が控えている。
1戦目のトップ・ラスでほぼ並びとなった両チーム。
2戦目のオーラスを迎えた時点で、本田3着、寿人ラスの並びだった。
2人のこの試合でのテーマは、相手より1着順でも上にいくことだ。
本田は3着目だが、トップまで2,000点差とかなり微差だ。
ここで寿人とトップ・ラスを決めれば、約88ポイント差がつくことになり、明日のコナミは2試合を連対しないと雷電を逆転することができず、かなり有利な状況になる。
当然寿人は本田のトップ・自身のラスはなんとしても避ける必要があり、最低でも本田との6,300点差、可能ならトップの白鳥との8,300点差をまくる手を作りたい。
本田に、早そうな手が入る。
面前でも仕上がりそうだが、2,000点の出アガリでもOKなので、いざとなったら
をトイツ落とししてタンヤオの仕掛けもできる。
本田が切った4巡目の
に、南家の寿人からポンの声がかかる。
マンズのホンイツを狙った仕掛け。
赤
があるので、
が鳴ければトップになる満貫が完成する。
堂岐と白鳥の2人も、僅差のオーラスのため当たり牌になる前に、寿人に危険な牌を先に切っていく。
イーシャンテンになった堂岐が切った
を、寿人はリャンメンでチー。
そして白鳥が切った
をポン。
瞬く間に、テンパイを入れる。
と
のシャンポン待ちで、
をツモればトップ、
をツモれば堂岐との同点2着になる。
たまらず、本田も対応して仕掛けを入れる。
堂岐が切った
をポンしてタンヤオに移行する。
その数巡後
本田は寿人の当たり牌の
をつかむ。
を切ると、本田から寿人へ満貫の放銃となり、寿人トップ・本田ラスの最悪の並びになってしまう。
しかし、オリてしまえば自身の3着以下は確定し、寿人がツモれば更に着順で差をつけられてしまう。
本田の選択は…
打
。オリだった。
寿人の最終手出しは、
をポンして切った
だ。
この
が手牌に関連しているとすると、待ちのパターンはだいぶ限られる。
本田が4巡目に切っている
をポンしていないので、![]()
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や![]()
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など
を2枚持っていたケースは否定される。
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と持っていて、カン
に受けたパターンも、その前に
をリャンメンでチーしていて、![]()
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と持っていたならカンチャンで鳴くはずなので出てこない。
残るは![]()
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や![]()
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から
を切ってシャンポン待ちになったケースだ。
そして寿人は、点数状況的に
を持っている可能性が高い。
シャンポン待ちの候補として、
や
など
以外の待ちも可能性としてはあるが、その場合寿人は最大打点3,900点でオタ風のポンから発進したことになる。
3,900点は本田からの直撃で3着になるだけで、浅井・白鳥から出ても本田の着順が上がるため嬉しくなく、ツモっても着順は変わらない。
つまり、満貫が見込める手から仕掛け出したと考えると、
を持ってる以外のパターンが無いのだ。
本田の冷静な判断で放銃を回避。
寿人のツモ山に当たり牌がいるかどうかの勝負と思われたが…














