勝ちたい思い、
負けられぬ理由
岡田紗佳は
どうしても優勝したい
文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2022年4月4日
朝日新聞Mリーグ2021-22セミファイナルは、残り1週となった。金曜日の試合がおわれば、2チームが脱落する。各チーム、ファイナルへ行くためには、勝って相手を蹴落とさなければならない。
どのチームも、勝ちたい理由がある。
どのチームも、負けられない理由がある
それぞれの強すぎる麻雀への思いが、熱い闘牌を生む。
第1試合
東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
西家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
北家:勝又健志(EX風林火山)
東1局。
親番の岡田が待ちチートイツで果敢にリーチをかけ、
テンパイを入れていた白鳥から出アガリして4800。
連荘した次局はポンから発進。の後付けが第一候補と思われるが、それにしても積極的。
が出ないまま片アガリのテンパイとなるも、自力でツモって1600は1700オール。2局連続のアガリでリードを広げる。
https://twitter.com/kadokawa_sk/status/1510557741189718019
4月3日、KADOKAWAサクラナイツは沢崎誠がセミファイナル終了を以って療養のために入院、ファイナルに進出しても試合を欠場することを発表した。
沢崎は今シーズン、400ポイント近いスコアを積み重ねたチームの稼ぎ頭であるだけでなく、独特の存在感とキャラクターでチームを支えてきた。サクラナイツは沢崎のためにも必ずファイナルに進み、優勝シャーレを勝ち取らなければならない。
東2局3本場。
瑞原は重なったをツモ切って、1シャンテンをとらなかった。目先の愚形残り1シャンテンよりも、やにくっつけて好形や打点を作る選択。
残したにとくっついてピンフ高目三色のリーチをかけ、
高目ツモで2000-4000は2300-4300、これで瑞原がトップに立った。
Mリーグ2021-22,選手入れ替え規定と該当チーム
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— キンマweb@竹書房公式 – 麻雀ニュース・情報サイト (@kinmaweb) April 3, 2022
U-NEXT Piratesは、今シーズンのMリーグで唯一、選手入れ替え規定の対象となるチームである。セミファイナルで敗退すれば、現行のチームで戦うのは今シーズンが最後となる。ファイナルを、そして翌シーズン以降も今のメンバーで戦うため、パイレーツは絶対にここでは負けられない。負けてはいけない。
東4局。
岡田は6巡目にタンヤオドラ3のテンパイを入れた。ダマテンならすぐにこぼれそうだし、ここで8000をアガるのは十分価値が高い。局面的に、ダマテンにする打ち手が大半だと思われる。
しかし岡田は少考の後、リーチをかけた。トップのために、ほしいのは8000ではなく3000-6000。ここをチャンスとばかりに、マックスの打点を狙いにいった。
そこへ、好形1シャンテンで粘っていた勝又が追い付く。
形だけならリャンメン待ち。しかし勝又はシャンポン待ちでリーチをかけた。が現物であること、リャンメン待ちだと赤がないので打点が安いが、シャンポン待ちならでアガっての高打点が期待できる。その差が見た目の枚数差を覆すと判断したか。
安目だがツモで2600オール。
前年度覇者、EX風林火山。その原動力となったのが勝又だった。チームは今シーズン「Mリーグ王者は翌シーズン、レギュラーシーズンで敗退する」というジンクスを打破。しかし、それだけで彼らが満足できるはずがない。目指す先は、Mリーグ史上初の連覇。ユニフォームの星を増やすため、こんなところでつまずくわけにはいかない。
南1局2本場、白鳥はドラのカン待ちで即リーチをかけた。山には残り1枚。
を鳴き、ドラ2枚を抱えた1シャンテンの岡田も強く押し返していくが、
ラス牌を白鳥がツモ、裏ドラを乗せて2000-4000。4番手から一気にトップ目まで突き抜ける。