【eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント】伊達朱里紗・中田花奈がeMAH-JONGプロたちとの戦いで見せた、麻雀プロの意地【1回戦 観戦記】東川亮

伊達朱里紗・中田花奈が
eMAH-JONGプロたちとの
戦いで見せた、
麻雀プロの意地

eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント
1回戦 観戦記:東川亮

「eMAH-JONG 麻雀格闘倶楽部 プロトーナメント」では、1回戦からいずれも白熱した激闘が繰り広げられた。その中から、伊達朱里紗中田花奈が見せた、麻雀プロの意地を見せたと言える対局をピックアップする。

■1回戦第3試合

東家:伊達朱里紗(日本プロ麻雀連盟)
南家:バリそばw(女流枠)
西家:マサ4(フリー枠)
北家:てな(ワンチャンス枠)

東2局、前局に1300をアガったバリそばwが、勢いそのままにドラ【中】を切って親リーチ。直前には【赤5ピン】を処理しているだけに、打点はともかくそれなりの好形リーチには見えていそう。

伊達も宣言牌【中】をポンして応戦。【赤5マン】が出ていく可能性もある1シャンテンだが、ドラ3なら押す価値もある。

【9マン】を引いてテンパイ、こうなればもちろん【赤5マン】も勝負。

その後、【9マン】【6ソウ】と無スジを押して突っ張っていった伊達だが、ロン牌の【1ピン】だけはピタリと止めた。バリそばwのリーチをリャンメン待ちと想定するなら、残るスジは相当に限られている。巡目との折り合いをつけての選択だが、このあたりの間合いの取り方はさすがのひと言だ。この局はバリそばwの一人テンパイで終わる。

東3局1本場、1シャンテンのてなに選択。受けが広いのは【7ソウ】切りだが、最後が単騎テンパイになる可能性もある。

てなは打【6ソウ】。あくまでもマンズのリャンメン待ちで勝負しようということか。ドラ【9マン】は自身から【8マン】が3枚見えで、相手にすればやや使いにくい牌だ。また、生牌【6ソウ】ではなく1枚切れの【5ソウ】を残したのは、あわよくばの赤牌重なりを見たのかもしれない。それであれば、てなは非常に打点意識の高い打ち手だと言える。

次巡、選択がバッチリハマった【9マン】引き。ピンフイーペーコードラドラを、てなはダマテンに構えた。これは2着抜けを考えて、まずはより確実にリードを作りたいという選択だろう。キャッチフレーズ「猪突猛進リーチ」が、これは辛い。

すぐにバリそばwから【1マン】がツモ切られ、てなが7700は8000を出アガリしてトップ目に浮上。その後、南場でもアガリを重ね、まずは勝ち上がりの1席を確保した。

オーラスは、マサ4が2番手、それを僅差で追う伊達という構図。少し離されたバリそばwだが、それでも満貫ツモ圏内にはつけている。

先制テンパイは伊達。牌の巡り合わせから【6ピン】【9ピン】待ちがフリテンになってしまっているが、ツモしかアガれない以上、安目ツモOKのリーチとする。この時点で親のてなもテンパイしていたが、すぐに手を崩した。タンヤオに向かっていたマサ4はまだ2シャンテン、伊達の1人テンパイなら逆転されてしまう。

オリられないが振り込みたくないマサ4は、真っすぐテンパイに向かえない。そしてバリそばwも納得のいくテンパイを組みたいが、打点も形もいっこうによくならない。最後はテンパイを崩してまで【1マン】を暗槓し最高形を求めたが、復活はならず。伊達が100点差でマサ4をまくり、てな・伊達の2人が準々決勝へと勝ち上がった。

3位:マサ4
「緊張して、自分の手のことで頭がいっぱいでした。いつも通りの手組みや進行はできなかったと思います。100点に泣いたので、もう一回リベンジさせていただければと思います」

4位:バリそばw
「楽しかったです、来て良かったと思いました。とにかく今日は行く気だったので、思うように打てて良かったです。まだ運が尽きていないなら、もう一回参加してここに来たいと思います」

 

■1回戦第7試合

東家:えんま(ワンチャンス)
南家:まゆ(女流)
西家:中田花奈(日本プロ麻雀連盟)
北家:たべっこ(フリー)

東1局、西家の中田が【西】をポン。ドラ【北】を切れば手広い1シャンテンだが、残して【5マン】切り。トイツ手での高打点を視野に入れる。

【赤5ピン】チーでのテンパイ取りでいったんは2600点のテンパイになったが、【1マン】をカンしたら【西】がモロ乗り、一気に満貫手へと変貌する。

ソーズのホンイツに向かっていたまゆから【7マン】が出て、中田が幸先良く高打点のアガリを決めた。

中田は守備でも見せ場を作る。東3局、まゆが【中】に続いて【5ピン】をポン。3900点のリャンメン待ちではなく、高目【白】での満貫を狙うシャンポン待ちに受ける。そこへチャンタに向かっていた中田が【6マン】をキャッチ。【白】も浮いていてピンチに見えたが、すぐにターツを壊して受けに回った。ここはまゆが【6マン】をツモアガるが、中田の押し引きのピントがしっかりと合っていることが伺えた。

南1局には興味深い攻防。まずはまゆが【白】の仕掛け出しから、ダブ【南】【6マン】のシャンポン待ちテンパイ、【南】なら満貫。一方の中田はテンパイ打牌の【赤5ピン】をチーすればタンヤオ三色赤のテンパイとなるが、その場合に打ち出される【6マン】がまゆに放銃となってしまう。

だが、中田はこれをスルーすると、自力で門前テンパイしてリーチ。宣言牌を【6マン】ではなく【3マン】としたのは、【5マン】が4枚見えで【3マン】の方がリャンメン待ちに当たらない分安全、という判断だろう。

これに対し、まゆが一発で【4ソウ】をつかむが、テンパイを崩して放銃回避。4番手だから、満貫手だからといって甘えないシビアな選択で、しっかりと自身の点数を守った。

南2局1本場で見せ場を作ったのは、2番手のえんま。中田の強烈なリーチを受けるなか、【發】を鳴けば現物【3ピン】を切って【發】ドラ赤のテンパイが取れたものの、これをスルー。

【發】トイツ落としでまわりながらテンパイまでたどり着き、

見事にツモアガリ!ツモタンヤオイーペーコードラ3赤のハネ満で、一気に他3者を突き放した。

会心のアガリに、思わずガッツポーズが飛び出す。通常、麻雀の対局では感情を表に出すことを良しとされていないが、eスポーツなら存分に喜びを表現できるのも、魅力の一つだ。対局はまゆ・たべっこが食いさがろうとするも、えんま・中田がそのまま逃げ切って、準々決勝進出を決めた。

3位:たべっこ
「もう少し戦いたかったですけど、残念です。キラキラしたセットでテンションが上がり、とても楽しく打てました。次こそは優勝したいです」

4位:まゆ
「打っている方との格の違いのようなものを思い知りました。今回の反省を元にまた勉強して、次のチャンスがもしあれば頑張りたいと思います」

■その他の試合

1回戦第1試合は、瀬戸熊直樹が南1局で2軒リーチを制して満貫をツモるなど、試合を終始リードし、1位通過。ナガトリとの接戦を制したくまこが2位に食い込んだ。

1位:瀬戸熊直樹(日本プロ麻雀連盟) 2位:くまこ(女流枠)
3位:ナガトリ(フリー枠) 4位:かとーそ(フリー枠)

3位:ナガトリ
「振り込みもアガリもなく、悔いの残る対局になってしまいました。また同じようにeMAH-JONGプロとして、この舞台に戻ってきたいと思っています」

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