12月4日に行われた「天鳳×Vtuber杯チーム対抗戦2022」は、ゆるもたんさんが企画した、ネット麻雀の強者を集めたチーム対抗戦。以下のレギュレーションで、ネット麻雀「天鳳」を使い、全5試合の結果で優勝が争われる。
■大会ルール
4人打ち東南戦喰いあり赤あり30000点持ち30000点返し
ウマ10-30オカなし(大将戦のみウマは2倍)
※その他ルールは最高位戦ルールに準拠
第1試合は「麻雀プロ枠」。ネット麻雀を打ち込む麻雀プロたちによる戦いとなった。
第1試合
東家:岩崎啓悟(チームうしさん)
南家: 渋川難波(チームあさぴん)
西家: 白鳥翔(チームいばらぎ)
北家:鈴木優(チーム太くないお)
東3局、優がドラを1巡目に切ると、親の白鳥がポン。早々に場が煮詰まる。
だが、優もから仕掛けてのテンパイを入れる。は既になかったが、フリテンに受け変えてツモアガリ。親のドラポンを自らの手で蹴ることに成功した。優のネット麻雀での主戦場は、鳳凰卓東風戦(通称:鳳東)。一つの選択が勝敗を左右するシビアさ、特にアガリへの嗅覚が求められる場が、優の麻雀をより鋭利に研ぎ澄ましている。
南1局は親の岩崎がホンイツ仕掛け、ペン待ちテンパイ、渋川が待ちリーチで追いつく。渋川の放銃はない有利な状況だったが、岩崎がをツモって4000オール。このアガリでトップ目に浮上した。岩崎は、本来出場予定だったキンマwebでもおなじみの沖中祐也プロ(ZERO)が別大会で勝ち上がったため、代役としてこの舞台に出場することになった。ネット麻雀界では強者として名が知られているが、プロとしてのキャリアや知名度は、Mリーガー3名に大きく劣っている。注目されるこの舞台で、やってやろうという思いは非常に強かったはずだ。
だが、そうやすやすとやらせてくれる相手ではない。南2局2本場、優がポンからのペン4p待ちを見事にツモって再びトップへ浮上。
南3局、岩崎を再逆転していた優は、白鳥の親番を無事に流せればほぼトップを手中に収められる。よりアガりやすい手組みをするべく、をチー、1シャンテンから1シャンテンの鳴きで、タンヤオに向かう。確かにこの方が後の仕掛けも使えるが、手牌はかなりの良形であり、鳴けない打ち手が多いのではないだろうか。なんとも優らしい仕掛けである。
だが、白鳥が追いついてリーチをかけてツモアガリ。2枚見られる裏ドラがなんとどちらも雀頭、まさかの 6000オールで優をかわしてトップ目に立つ。
オーラスは、白鳥が苦しい仕掛けでアガリトップに向かうも、優が待ちリーチで先手を取る。白鳥も両無スジのを切ってテンパイを入れたが、最終盤につかんだで放銃、優が再逆転した。
オーラス1本場、白鳥が待ち、高目三色という逆転のテンパイを入れる。高目出アガリなだどこから出てもOK、安目はツモ直条件というところで、カンができる4枚目のを引く。
だが、このをツモ切り。優にオリを選ばせないよう、気配を消した。
姿を現していれば、間違いなく優は切らなかっただろう。白鳥が、冥府の闇から優を刺した漆黒の一撃。5200の直撃で、白鳥が逆転で初戦を飾った。
■順位
1位:白鳥翔(チームいばらぎ) +42.6
2位:鈴木優(チーム太くないお) +20.5
3位:岩崎啓悟(チームうしさん) ▲12.6
4位:渋川難波(チームあさぴん) ▲50.8
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。